半導体や二次電池などの材料開発、品質管理に貢献する遠心式ナノ粒子解析装置「Partica CENTRIFUGE」を発売

|   ニュースリリース

当社は、粒子の沈降速度から粒子の大きさをはかる遠心式ナノ粒子解析装置「Partica CENTRIFUGE(パーティカ セントリヒュージ)」(以下、ナノ粒子解析装置)を開発しました。11月11日より幕張メッセ国際展示場で開催されるJASIS 2020に初出展し、2020年12月に発売します。
ナノ粒子解析装置は原液や希薄試料に含まれる粒子をナノレベルで測定できます。粒子の大きさや構成比は、製品の機能性を決定づける大切な要素のひとつです。材料の状態を可視化することで、半導体ウエハ研磨剤、二次電池材料など幅広い分野の開発および品質管理体制の強化に貢献していきます。
この測定技術は、これまで素材の形状や性質より、測定やその理解が困難だったカーボンナノチューブやセルロースナノファイバーといったナノ材料評価への応用も期待されています。

 

開発の背景

当社では1980年代から粒子径分布※1測定装置市場に参入し、国内シェア約35%(2019年時点、当社調べ)を占めています。
昨今、半導体や二次電池の需要増を背景に、これらの材料として用いられる高濃度スラリー※2やナノ材料をより簡便に測定できる装置のニーズが高まっています。この度、粒子径分布測定装置の新製品として原液から希薄試料まで測定できる本製品を投入し、さらなるビジネス拡大をめざします。
なお、粒子径分布計測市場規模は2019年に世界で約360億円、2022年まで5.2%の平均成長率で拡大が見込まれています。(当社調べ)

※1 粒子径分布:測定対象となる試料の粒子の大きさと構成比を示す指標
※2 スラリー:液体中に固体粒子が懸濁している流動体
 

新製品の特長
多様なニーズをワンストップで応える高精度な測定機能
・高濃度試料を測定する「ラインスタート法」と低濃度試料を測定する「一様沈降法」の2種類の測定方法を切り替えることで、原液から希薄試料まで分析が可能。
・粒子をサイズごとに分類しながら測定することで、10nmから40μmのレンジで一度に測定結果が得られる。
 
安定性と利便性を追求した高機能
・冷却機能により試料室内の温度を一定に保つことで、遠心摩擦力による温度上昇を防ぎ、長時間測定でも安定測定が可能。
・セル洗浄が簡便かつサンプルをセル内に自動注入することが可能で利便性を追求。
 
ナノ粒子解析装置の主な測定分野
・半導体材料:半導体ウエハ研磨剤
・電池材料:電極材料、正極材、負極材、バインダー
・機能性ナノ材料:カーボンナノチューブ、グラフェン、セルロースナノファイバー 
・インク:顔料、染料、トナー 
・産業全般:セラミックス
 
 
主な仕様 

名称:遠心式ナノ粒子解析装置「Partica CENTRIFUGE」

測定方式:遠心沈降式(ラインスタート法及び一様沈降法)

測定レンジ:10nm~40μm

外形寸法:634(W)×550(D)×341(H)mm

質量(本体):約100kg

 

 

遠心式ナノ粒子解析装置「Partica CENTRIFUGE」
遠心式ナノ粒子解析装置「Partica CENTRIFUGE」
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