小惑星探査機「はやぶさ2」が採取した小惑星「リュウグウ」の試料分析プロジェクトに参画

|   ニュースリリース

HORIBAグループで分析・サービス事業を担う株式会社堀場テクノサービス(以下、堀場テクノサービス)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ(Ryugu)」から採取した砂や石などの試料の初期分析プロジェクトに参画します。リュウグウから採取した試料の初期分析は6つの国際チームで行われます。堀場テクノサービスは化学分析チームに所属し、当社の蛍光X線分析※1装置を用いて、本試料に含まれる元素を非破壊、非接触で分析します。
リュウグウは太陽系形成初期の情報を保持しており、有機物や水を多く含む小惑星だと考えられています。太陽系と生命の起源や進化のなぞを解き明かすため、リュウグウから採取した試料の分析には大きな期待が寄せられています。

 
HORIBAの役割

本分析に用いる試料はごく微量であるため、高精度な微量分析を得意とする堀場テクノサービスも本分析を担うこととなりました。化学分析チームの分析は、来春開設する堀場テクノサービスの最新の分析ラボ「Analytical Solution Plaza」(京都市)で、6月より開始する予定です。
  

当社代表取締役会長兼グループCEO 堀場厚コメント

日本が世界の先頭に立つ始原天体※2探査の分野において、当社がその一翼を担うことを光栄に思います。分析・計測というイノベーションの創出に欠かせない「はかる」技術をもつHORIBAは、事業を通じて宇宙の謎を解き明かし、科学技術の発展と地球環境保全に寄与することを使命に掲げています。当社グループの総力をあげて本プロジェクトに取り組み、人類社会の新たなる一ページを切り拓くことに微力ながら貢献してまいります。
 

蛍光X線分析装置 

試料の元素分析を非破壊、非接触で行います。半導体や食品、薬品といった私たちの生活の身近にあるものから、隕石や絵画、遺物まで、幅広い分野の研究開発に役立てられています。

※1 蛍光X線分析:
X線を物質に照射することにより、元素に固有のX線(蛍光X線)が発生します。蛍光X線を捉えることで、その物質に含まれる元素の種類と量を評価することができます。

※2 始原天体:
その天体を作っている物質が、太陽系が誕生した頃にあったものからあまり変化していないと考えられている天体。太陽系が誕生した頃やその後の進化について調べるときに重要な天体と考えられています。

 

 

左から堀場テクノサービス社長の千原 啓生、化学分析チーム リーダーの北海道大学 圦本 尚義教授
左から堀場テクノサービス社長の千原 啓生、化学分析チーム リーダーの北海道大学 圦本 尚義教授
微小部X線分析装置 XGT-9000
微小部X線分析装置 XGT-9000
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