今春スタートの中国RoHS規制に、微小・高感度の多機種品揃えで完全対応

|   ニュースリリース

当社は、3月開始される中国版RoHS(電子情報製品汚染制御管理便法)で有害元素物質の検査需要が増加することに対応するため、X線分析装置の品揃えを強化します。既販売機種に比べて、高感度化して分析時間を最大1/4に短縮、生産現場向け機種の新型(XGT-1700WRシリーズ)を開発、3月1日発売します。EUに続いて始まる中国の有害元素規制は、家電製品に留まらず、半導体製造装置や医療機器にまで対象製品が拡大されるため、検査需要が業種・種類・物量共に増加が見込まれる、電気・電子・材料分野での分析検査ニーズに、微小部分析機能と高感度・短時間分析機能、さらに種類別最適条件の自動設定による判定機能などで、幅広いニーズにきめ細かく対応します。

X線を試料に照射して含有元素の種類と量を分析するX線分析装置で今回新たに追加する生産ライン向けの装置1700WRシリーズ(2種類)は、検出感度を現有機種比5倍にすることで分析時間を最大1/4に短縮しました。X線分析装置は、EUが発令した有害元素規制以降その需要が急増していますが、分析時間が短くなることによって、検査対応の種類・物量共に増やすことができます。加えて10年以上の納入実績から蓄積した試料分類ごとに最適な分析条件設定10種類をあらかじめ設定してあり、検査対象の試料に合うプリセットを選ぶことで最適な分析が行えます。さらに、有害元素の含有量の合格・不合格判定を装置が行い結果を印字・データ化できます。分析装置についての詳細な知識は必要なく、品質管理の現場でどなたでも扱える"分析"機から"判定"機に進化した生産ライン対応の機種です。

当社独自技術である微小部(直径1.2mm)分析専用の従来製品(XGT-1000WRシリーズ)と、業界で最も細いX線照射(直径10μm)で電子顕微鏡のように元素分布をカラー画像化することで対象元素の場所まで特定できる機種(XGT-5000シリーズ)と、今回追加する微小部に加えて高感度・短時間測定(分析範囲:直径3.0mm)にも対応できる2つのタイプの、計4タイプを品揃えすることで、3月からスタートする電子情報製品汚染制御管理弁法(中国版RoHS規制)が加わり、検査対象の種類や物量の増加が予想される電気・電子分野に、また加えて、本格化する自動車分野での有害元素規制(ELV指令)の市場にもきめ細かで的確な対応をします。


〈本製品について〉

XGT-1700WRシリーズは、-1700WRと-1710WRの2種類で、1700WRは検出部の冷却方式が液体窒素冷却方式で1710WRは液体窒素不要のパルスチューブ冷却方式です。
いずれも生産現場向け装置で、最大460×360×149mmの試料が分析可能な大型の試料室を採用しています。
1700WRシリーズは、有害元素分析装置で初の1次X線(=試料に照射するX線)と2次X線(試料にあたりその元素特有に出るX線)それぞれ用フィルター(デュアルフィルター)の搭載により相互干渉を少なくし感度を5倍に向上させ、結果測定時間を最短1/4に短縮することで、多くのサンプルを短時間で分析できるようになりました。また、納入ユーザーの電機・自動車分野メーカー各社にご協力を得て蓄積してきた実際の分析運用でのノウハウを取り込み、試料の種類ごとの最適な測定条件を装置にプリセットしているので、これまで分析経験のない生産ラインの作業者でも煩雑な操作を必要とせず、簡単に分析を行なうことが可能です。また、有害元素の含有量の合格・不合格判定を自動で行い、結果をレポート形式で印刷・保存が可能なデータ管理ソフトで現場作業の効率化に貢献します。


〈主な特徴〉

  1. 5倍の高感度モード(X線照射直径3mm)で分析時間最高1/4を実現
    1次X線フィルターと2次X線フィルターを組み合わせた当社独自機構デュアルフィルター
  2. 簡単操作−試料サンプル材質に応じた最適分析条件をプリセットボタンで設定
    ワンクリックで測定から結果表示まで自動で実行
  3. データ管理ソフト=各種フォーマットに対応したデータ管理ソフトを用意
    対象とする元素の含有有無を表す判定機能も搭載



〈標準価格〉(基本仕様)

XGT-1700WR(液体窒素冷却方式)    1130万円〜
XGT-1710WR(パルスチューブ冷却方式) 1330万円〜

なお、業界で最も細いX線照射径(直径10μm)で電子顕微鏡のように元素分布をカラー画像化することで対象元素の場所まで特定できる2次元画像タイプでも、同じく検出感度5倍のXGT-5700WRシリーズ(-5700WRと-5710WRの2種類)も同時に発売します。

  • XGT-5700WR(液体窒素冷却方式)    2030万円〜(基本仕様)
  • XGT-5710WR(パルスチューブ冷却方式) 2230万円〜(基本仕様)



〈販売目標台数〉(XGT-1700WRシリーズ2種類合計)

初年度:200台
次年度:300台


〈主な仕様〉(本体)

外形寸法: 610(W)×750(D)×500(H)mm
質  量: 約200kg(XGT-1700WR)
測定方式: エネルギー分散型蛍光X線分析法


参考資料

  • 1次X線/2次X線(フィルター)デュアルフィルター
    1次X線フィルターは、微量有害元素を分析する際に問題となるバックグラウンド低減のため、X線管とサンプルの間に設置されるものです。2次X線フィルターは、サンプルと検出器の間に設置され、サンプル主成分の高強度X線を減衰させ、微量有害元素の検出感度を向上させます。
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