世界初 完全固体のマイクロpHセンサーの実用化に成功

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バイオ・ライフサイエンス向け、探針状pHセンサーやカプセルタイプのpHセンサー実現へ 

当社は、早稲田大学理工学研究院 逢坂教授との連携により、pHセンサーを完全固体化し、1mm×5mmサイズの微小なpHセンサーチップを世界で初めて実用化しました。
このセンサーは、逢坂教授の研究成果である、ナノテク材料の一つである自己組織化単分子膜を電気化学センサーに適用したもので、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)ナノテクチャレンジプロジェクトにて共同開発を行ってきたものです。

センサーは1mm×5mmのFETチップ上にpHセンサーの応答機構を全て集積化させたもので、溶液中のプロトン(水素イオン)を検知するセンサーと、基準電位を得るための比較部が搭載されています。従来、pHセンサーは比較部の動作のために、必ず高濃度の(中性の)電解質溶液を用いる必要があります。このためセンサー形状が試験管のような管状から大きく変えることができませんでした。それゆえに、センサーの形状の自由度や小型化が制約され、pH計測は医療やライフサイエンス分野における必須測定項目であるにもかかわらず、その応用展開に大きな障壁となっています。
このたびの完全固体化マイクロpHセンサーの実現により、pHセンサーを針状構造物の先端に配置したり、センサーをカプセル形状に実装することが可能となります。

当社では、上述のNEDOプロジェクトにおいて、これらのセンサーの試作も行い、既存のpHメーターと接続できる針状pHセンサーや、信号増幅部やワイヤレス送信機構を集積化させたカプセルタイプpHセンサーの試作を完了しています。これらのセンサの応用展開として、前者では、実験動物への直接挿入による疾病病巣の検出、また、後者では、消化器官などの体内埋め込み・留置による疾病発症のモニタリングなど、医学基礎研究への展開が期待されます。 

早稲田大学先進理工学部応用化学科 応用物理化学研究室(逢坂・本間・門間研究室)ホームページ

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