X線分析顕微鏡「XGT-7000V」発売

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当社は、X線を使って非破壊で試料の元素分析と光学観察を同時に行う、X線分析顕微鏡「XGT-7000V」を開発しました。29日発売します。
本新型は、直径10 µmの分解能と真空試料室を搭載したことで、微小部の軽元素感度を最大6倍に向上した高性能機です。薬品・食品・電子部品の異物検査や不良解析に適している最上位機種です。

世界最高レベルの分解能(10 µm)を持つ当社独自のX線集光技術(X線導管; X-ray Guide Tube)を使ったX線分析顕微鏡XGTシリーズは、非破壊で試料の光学観察・元素分析・透過内部解析を行なえることから、薬品・食品・電子部品における異物検査や不良解析など品質管理の現場で幅広くご利用いただいています。
今回開発した新製品「XGT-7000V」は、最小10 µmから10 cm四方までの幅広い領域の2次元(マッピング)での分析・観察が行なえる既販売機高級機XGT-5000の能力に加え、真空試料室を搭載することで、埃や人体から出る汗といった生産工程での混入・付着の発生源を特定する上で重要となるナトリウム(Na)を初めとする軽元素域を、最大6倍の高感度分析を可能にした最上位機種です。高感度化により、例えば従来1時間掛かっていた分析が10分と短時間で行え分析性能と共に時間も短縮できます。
また、操作性を高めるナビケーション機能の搭載やマッピング機能の充実など、最高性能であるだけでなく、操作性・機能性も向上させました。

〈主な特長〉

  1. デュアルバキューム方式採用で軽元素の感度を向上
    従来の真空モード(X線光学系真空)の他に、試料室内真空モードを追加。試料状態に応じて最適なモードで分析ができます。
    (既販売機種比⇒Na: 6倍、Mg: 3倍、Al: 2倍 それぞれ感度アップ)
  2. 操作手順をナビがサポート
    フローチャートを利用したナビゲーションウインドウで操作手順を常時表示し、作業全体のどの段階であるかを明示。分析手順を知らなくても操作が行えます。
  3. 一度の分析で自在な結果解析が可能(スマートマップ機能)
    マッピング測定時に全元素情報を保存しているので、再測定を行なわなくても、自在に測定対象組成の変更や対象元素の変更などを行なうことができ、スペクトルだけでなく各種マッピング結果の多様な解析が可能です。

〈用途例〉
電子部品]     不良解析、異物分析など
食品・薬品]    異物分析など
生体・バイオ試料] 組織観察など
鉱物資源・古美術] 非破壊分析など
新素材・複合材料] 研究開発など

〈標準価格〉 2,150万円

〈販売目標台数〉 初年度30台、次年度100台

〈主な仕様〉
測定元素: Na(ナトリウム)〜U(ウラン)
分解能: 10 µm/100 µm
最大測定エリア: 100×100 mm
設置寸法(本体): 670 (W)×820 (D)×760 (H) mm

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