1,200℃・無触媒燃焼方式「オンライン自動全有機体炭素測定装置(TOC計)モデルT1」を発売

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異常の予兆検知、無触媒でランニングコストを低減【JASIS 2021 出展製品】

株式会社堀場アドバンスドテクノは、「オンライン自動全有機体炭素測定装置(TOC計)モデルT1」を11月8日に発売します。TOC計の設計ノウハウを集約し、効率の優れた高温燃焼方式の搭載により、無触媒でありながら高い酸化力を発揮し、懸濁(けんだく)物質※1や塩分を多く含むサンプルも最短1分で測定できます。高い燃焼能力に加え、自己診断機能により予知保全を行うCBM(Condition Based Maintenance)や、送液機構の工夫により、ランニングコストの低減を実現。水質計のラインアップを拡充し、石油化学・自動車・エネルギー・製紙・食品など幅広い分野に貢献します。
なお本製品は、2021年11月8日から10日に幕張メッセ国際展示場で開催される「JASIS 2021」に出展します。
 
※1 懸濁物質:水中に浮遊・分散する粒の大きさが約1μm(0.001mm)~2mmの物質
  

開発の背景

全有機体炭素(TOC)は代表的な水質指標の1つであり、環境分野だけでなく工業プロセスにおいてもその分析の重要性が年々高まっています。求められる測定範囲も多岐にわたり、製薬用水であれば 1 mg/L未満、製紙などの工場では 10,000 mg/L 以上となり、それぞれの測定範囲に応じた測定原理が存在します。当社グループでは、これまでUV酸化導電率方式による医薬製造用水向けのTOC計HT-110の開発・生産・販売を行ってきましたが、製品ポートフォリオ拡充のため2019年9月に当社グループが買収した水質計事業のスタートアップであるTOCADERO Analytics社(ドイツ 現ホリバ・トカデロ社)の第1弾製品を国内でも上市することで、石油化学、製紙などの産業向けに対象を広げます。
 

製品特徴

  1. 1,200℃燃焼方式の採用により、ランニングコストを削減
    高温で燃焼させる事により、酸化が困難なサンプルであっても、触媒に頼らず最短1分(TCモード)で測定が可能です。高価な触媒の定期交換が不要で、故障の要因の一つである燃え残りを抑え、燃焼炉の長寿命化を実現しました。メンテナンスコストやラニングコストの削減に貢献します。
     
  2. 送液機構の工夫により、高濃度サンプルに対応
    サンプル配管などの接液材質にはガラスやフッ素樹脂を採用しました。そのため、高濃度サンプルの吸着を回避し、精度の高い測定が可能です。大口径サンプル配管により、サンプル粒径 2mm まで対応します。
     
  3. 予知保全を行うCBM(Condition Based Maintenance)を提供
    各種センサーを用いて装置の状態を常にモニタリングしています。異常の予兆を捉えた時には早期にアラートを発出し、トラブルを未然に防ぎます。定期的なメンテナンスに要する時間はわずか 約30分/月 です。
     
  4. スマートファクトリーやDXに対応
    スマートファクトリー化が進む工場などで使用される通信規格(Modbus RTU / Ethernet )に対応し、デジタルデータの活用による業務プロセスの改革、品質・生産性の向上に貢献します。今後、さらなる情報セキュリティの強化のためのOPC UA (2021年末) / PROFINET (2022年) のサポートも予定しています。
     

製品概要 

装置名称自動全有機体炭素測定装置
装置型式T1
測定項目(標準) 全炭素(TC) , 不揮発性有機物(NPOC)
測定項目(オプション)全有機体炭素差分(TOC differential) ,
揮発性有機化合物(POC/VOC) , 全無機炭素(TIC) ,
全結合窒素(TNb) , 化学的酸素要求量(COD)
測定原理1,200℃燃焼酸化方式(無触媒)
測定レンジ(標準)0~1/10/200/2,000/20,000 mg/L
測定レンジ(オプション) 0~50,000 mg/L
寸法  (W) 600mm x (D) 320mm x (H) 800mm
質量約 55 kg

※測定対象や共存物により記載内容と異なる場合があります

 

オンライン自動全有機体炭素測定装置(TOC計)モデルT1