歩留まり低下に影響?!半導体製造洗浄・エッチングプロセスにおける薬液濃度変化が起こる原因とは?

半導体製造において洗浄・エッチングプロセスは、歩留りを左右する重要な工程で、製造工程全体の3割~4割を占めています。そんな半導体製造洗浄・ウェットエッチングプロセスで使用されるのが様々な薬液です。今回は、そんな様々な薬液の濃度変化が起こる原因をご説明いたします。


薬液の役割とは?

まず半導体製造において薬液がどういった役割を持っているのかおさらいしましょう。薬液は主に洗浄とエッチングの工程に使用されています。

■洗浄
半導体製造では洗浄という工程があります。半導体製造においては、品質・信頼性の原因となる製造工程のパーティクル(ごみ)などの汚染をいかに少なくするかが重要です。洗浄するものとしては具体的に次のようなものがあります。

・パーティクル汚染    
・金属汚染(アルカリ金属/重金属/軽金属)
・有機汚染
・無機汚染(ドーパント/塩基/酸)
・酸化物層
・イオン汚染

洗浄工程において薬液が除去するゴミは非常に小さく、ウェーハを東京ドームに換算すると、なんと東京ドームから髪の毛1本を探すぐらい小さいゴミを除去していることになります!

基盤基盤の直径基盤の面積ゴミの大きさ
(直径)
12インチウェハ300mm0.07065m²0.02μm
東京ドーム約120m
(400倍)
0.047km²8μm
京都府約38km
(約12.6万倍)
約4600km²約2.52mm

 

■ウェットエッチング
半導体製造工程ではウェットエッチングという工程があります。ウェットエッチングは、ウェーハ上に生成されたパターンを残すために薬品やイオンの化学反応を利用して不要な領域や薄膜を除去する工程です。

流れは以下の通りです。

① ウエーハの表面に回路の素材となる酸化シリコンやアルミニウムなどの薄膜を形成する。

② ①の上にレジスト(感光材液)を塗布する。

 

③ ②にパターンを焼き付けて、そのパターン型にレジスト膜を変質させる。

 

④ 焼き付けたパターン以外の薄膜、レジスト膜を削り取る。

⑤ ④の後に不要になった変質したレジスト膜を除去する。

⑥ 上記作業を繰り返し、回路を形成していく。
(順番に絵を描く)

これら工程の中の④と⑤で薄膜・レジスト膜を除去するためにウェットエッチングが行われ、その際に様々な薬液が用いられます。

 

薬液濃度が変化する原因とは?

これらの工程で使用する薬液の濃度は常に一定ではありません。薬液層に薬液を循環しながら使用する場合、調合した直後の薬液濃度は一定であっても、繰り返し使用している間に成分濃度が変化してしまいます。このような濃度変化によりエッチング速度や洗浄効率に変化が生じることが、デバイスの歩留まり低下の一因となります。

濃度が変化する要因としては、以下のようなことが挙げられます。
・薬液とエッチングや洗浄対象物の化学反応による薬液成分の分解
・揮発による成分濃度の低下,あるいは水の蒸発による成分濃度の上昇
・大気中成分との反応
・薬液の調合時のミス

このような薬液濃度の変化に気づくことができないと、次のようなことが起こり、歩留まりの低下の要因となってしまいます。
・異物(パーティクル)を除去する事ができず、ウェーハ上に残ったままになってしまう。
・薬液濃度が高すぎることで、必要なところまで除去してしまう
・薬液濃度が低すぎることで、除去したいところが残ってしまう

もし、薬液の濃度をリアルタイムに安定的にモニタリングができれば、濃度の変化に気づくことができ、製品の品質を一定に保つことが可能になり、歩留まり向上に繋がります。

 

薬液の濃度をリアルタイムにモニタリングするには?

薬液の濃度をリアルタイムにモニタリングするには、弊社の薬液濃度モニタが最適です。薬液濃度モニタを使用することで、濃度を常にモニタリングし、ご使用される薬液の濃度を一定に保つことができます。
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