pH7(中性リン酸塩)標準液(pH 6.86 at 25℃)をゼロ点とし、pH4(フタル酸塩)標準液(pH 4.01 at 25℃)またはpH9(ホウ酸塩)標準液(pH 9.18 at 25℃)でスパン校正をするのが一般的です。サンプルの液性が酸性と予想される場合は、pH4で、アルカリ性と予想される場合は、pH9でスパン校正をしてください。またサンプルのpHがより酸性、あるいはよりアルカリ性と予想される場合は、pH2(シュウ酸塩)標準液あるいはpH10(炭酸塩)標準液、場合によってはpH12(飽和水酸化カルシウム)標準液などを使用してください。
JIS Z8802 2011 pH測定方法を参照してください。
標準液の値 | 標準液名 | 濃度 |
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pH2 (pH 1.68 at 25℃) | シュウ酸塩標準液 | 0.05mol/kg 二しゅう酸三水素カリウム水溶液 |
pH4 (pH 4.01 at 25℃) | フタル酸塩標準液 | 0・05mol/kg フタル酸水素カリウム水溶液 |
pH7 (pH 6.86 at 25℃) | 中性リン酸塩標準液 | 0・025mol/kg りん酸二水素カリウム+0・025mol/kg りん酸水素二ナトリウム水溶液 |
pH9 (pH 9.18 at 25℃) | ホウ酸塩標準液 | 0・01mol/kg 四ほう酸ナトリウム(ほう砂)水溶液 |
pH10 (pH 10.02 at 25℃) | 炭酸塩標準液 | 0・025mol/kg 炭酸水素ナトリウム+0・025mol/kg 炭酸ナトリウム水溶液 |
使用期限は未開封の状態で約1年です。
標準液は使用するたび容器からビーカーなどに移し変えて使用し、一度小分けしたり移し変えたものは容器に戻したり、再使用したりしないでください。開栓したものは、目安としてpH4(フタル酸塩)標準液およびpH7(中性リン酸塩)標準液は6ヶ月、pH9標準液は3ヶ月を目途としてください。特に、pH9(ホウ酸塩)標準液およびpH10(炭酸塩)標準液のアルカリ性標準液は、空気中の二酸化炭素と反応してpH値が低下しやすいため、長期保存できません。
(LAQUAtwinの標準液や60mLの標準液セットに期限は記載しておりませんが、ボトルに記載しているものはそちらをご確認ください。ボトルの裏側に有効期限/EXP:20XXXXXXと記載されています。)
必ず純水(イオン交換水または蒸留水)を用いてください。水道水には、殺菌用の塩素などが含まれており、粉末を溶かしたときのpH値が保証できません。
空気中の二酸化炭素により変化しやすく保存ができないため、使用するたびにお客様にて調整してください。強アルカリ性のため、目、皮膚などにつかないよう、使用、廃棄にもご注意ください。
カスタム標準液機能を使えば、炭酸塩標準液で自動校正ができる機種があります。計器付属の取扱説明書を参照してください。
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