ガラス電極に発生する起電力とpH値との関係は直線的であり、温度によってその感度(pH当たりの起電力)が変化するのを補償するものです。
溶液のpHは固有の温度特性を示します。この温度特性に従って測定した温度とは異なる温度でのpH値を求めることを「温度換算」と言い、温度補償とは測定温度におけるガラス電極(応答膜)の起電力変化を補償するものです。
溶液のpHは固有の温度特性を示します。測定温度によりサンプルのpH値は変化します。また、ガラス電極の応答膜も温度により起電力が変化します。温度補償は、この温度変化による起電力変化のみを補償しているため、サンプル自体の温度が変化するとpH値も変化します。
次の3点を確認してください。
ラボ用pHメータはサーミスタ温度補償電極が使われています。
サーミスタ温度補償(70シリーズ、50シリーズ/F-20/D-20用)抵抗:33.86KΩ at30℃
単に温度補償電極を接続し、ATCに設定してください。基準温度計が別途ある場合は、MTCで測定温度に設定してください。
温度補償は、温度による電極の感度を補正するためのものです。
ATCの場合は測定温度、MTCの場合は設定温度での感度に補正したpH値を指示します。ATC測定温度とMTC設定温度が異なる場合は、切り換えによりpH値が変化します。また、サーミスタ自体のバラツキは±0.7℃程あり、回路を組み合わせると±1℃位になる場合があります。
次ページ 応答膜内にたまった気泡