水溶液の性質(酸性・中性・アルカリ性)の程度を表す指標のことで、pH 0〜14の範囲があり、
この性質を示す原因は、水素イオン濃度(H+の活量)によって決まります。
pHは水素イオン濃度をあらわしますが、pH=-log[H+]と言うように常用対数で示したものを「pH」と定義しています。そこで、「p」は数学上の「べき」をあらわすpowerの「p」をとり、「H」は水素のHydrogenの「H」となります。「pH」という記号になります。
JIS規格では「ピーエッチ」と統一されていますが、一般的には、「ペーハー」、「ピーエッチ」のどちらの読み方でも使われています。最近は、英語読みのピーエッチが多いようです。
原器(元となるもの)そのものはありません。標準液による校正が基準となります。標準液の基準は、国際規格ISOともつながりを持って、一次pH標準液(計量標準総合センター)に基づくトレーサビリティ体系となっています。実用上には、JIS規格の製造法によります(JIS Z8802)。
JIS Z8802に規定されている性能(繰返し性)によって4形式あります。
一本電極とは、「比較電極」、「ガラス電極」、「温度電極」からなり、pHと温度測定ができます。複合電極とは、「比較電極」、「ガラス電極」からなりpHの測定のみができ、温度測定はできません。温度補償をする場合は、別途温度電極を接続するか、マニュアル温度補償で温度を入力する必要があります。
個別のガラス電極と比較電極を準備する必要があります。また、温度補償をする場合は温度電極が別途必要になります。なお、個別電極を使用する場合は、それらの使用が可能なpH計本体(F-70シリーズなど)が必要となります。
*D-200、D-70、50、D-20本体では使用することはできません。
比較電極の液絡部の部分まで浸ける必要があります。電極によって異なりますが、先端からおよそ3cm程度浸けてください。一本電極では、温度センサ部まで浸漬する必要があります。
pH測定を正しく行うためには、比較電極内部液が液絡部から試料側にわずかに流出しなければなりません。この流出のために補充口を開放し、ヘッド圧を利用する必要があるため、基本的には補充口を開けて測定してください。ただし、9625-10Dにおいて没水測定を行う際には、内部液を満タンにして補充口を閉めて、サンプルに浸漬して測定することができます。この場合、0.1pH程度の精度となります。
使用できません。pH測定は、応答膜(ガラス電極)と液絡部(比較電極)とがサンプルに接していなければ測定できません。
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