pH電極の洗浄・メンテナンスについて

pH計を使われているお客様から、校正の時に数値が安定しなかったり、値がずれてしまったりして、エラーが出てしまう、というお問い合わせを多くいただいております。

ほとんどの場合、電極の汚れや内部液の濃度変化が原因であり、電極の洗浄や内部液の交換で、エラーが解消されるケースが多いです。

サンプルの種類によって、洗浄の方法が異なるため、本日はいろいろな洗浄をご紹介します。

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1. フル動画(6:15)

2. 1:27 一般的な汚れの洗浄方法

飲料や調味料など油分が含まれるサンプルや廃水など水で洗い流すだけでは取り切れない汚れを洗浄する時は、身近にある中性洗剤とスポンジを用意します。

洗浄をする時は内部液補充口を開けた状態にします。(内部液無補充電極の場合は、内部液補充口はありません)

中性洗剤をスポンジにしみこませて、電極の先端をキュッキュッとこすり洗いし、水ですすぎ洗いをします。

市販のメラミンスポンジに水を染み込ませて電極の先端をこすり洗いすることも効果があります。

プラスチック製のpH電極は、先端の保護カバーを外すと洗浄していただきやすいです。

3. 2:34 タンパク質汚れの洗浄方法

タンパク質汚れの洗浄には、洗浄液250がおすすめです。

タンパク質が含まれるサンプルは電極の先端にある液絡部に汚れがつまりやすいのでこまめに洗浄することが大切です。

電極の内部液補充口を開けた状態で電極の先端3cm以上を1時間以上浸漬します。(内部液無補充電極の場合は、浸漬時間は30分まで)

4. 2:54 金属イオンなど無機系サンプルの洗浄方法

金属イオンなどが含まれる無機系のサンプルの場合は、洗浄液220がおすすめです。

洗浄液220には、チオ尿素と塩酸が含まれています。

洗浄液が手元にない場合は、1mol/Lの塩酸でも代用できます。

5. 3:21 洗浄のポイント

洗浄液250洗浄液220で洗浄をする時は、電極の内部液補充口を開けた状態で電極の先端3cm以上を1時間以上浸漬します。(内部液無補充電極の場合は、浸漬時間は30分まで)

6. 3:42 上水用pH電極専用の洗浄液

洗浄液230は上水用pH電極(9630-10D)専用にご用意しております。

A液に浸漬した後、B液に浸漬してください。

7. 4:10 洗浄後の内部液交換

電極を洗浄した後は内部液を全交換してください。

電極の内部液補充口からスポイトで内部液をすべて取り出し、新しい内部液を電極の8~9割程度補充します。

内部液は比較電極内部液300です。

内部液での共洗いは数回していただくと効果的です。

8. 4:47 電極の保管方法

保管キャップを使用し電極を保管します。

保管キャップの中のスポンジを水で湿らせ湿潤状態で保管をします。

保管をする時は内部液補充口を閉めます。(内部液無補充電極には内部液補充口はありません)

内部液補充口が閉まった状態で保管キャップの中に水をたくさん入れてしまうと、内部液が濃度変化する恐れがあるためおすすめできません。

水に浸けて保管する時は、内部液補充口を開けた状態でお願いします。

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