導電率(電気伝導率)とは

抵抗<単位;Ω(オーム)>の逆数をコンダクタンス<単位;S(ジーメンス)>と呼び、1/Ω=Sの関係があります。Ωは電圧Vを電流Aで割った値で、Ω =V/Aの関係があります。では、導電率とは何でしょう。その前に、テスターで2箇所間の抵抗を読み取った値は単なる抵抗値ですから、被検体の形状に影響 されます。金属や半導体、塩水など、物質の特性を比較したい場合には、被検体の大きさを決める必要があります。そこで被検体の大きさを1cmの立方体とし て、この対面に電極を貼り付けたときの抵抗値を抵抗率(比抵抗)と呼ぶことにしました。抵抗は長さcmに比例し、断面cm2に反比例しますから、抵抗率の 単位はΩ・cmになります。抵抗率を測定するために必ずしも1cmの立方体に切り出す必要はなく、計測し易い形状に切り出して抵抗を測定し、後で断面積を 掛け、長さで割れば抵抗率が求められます。
導電率(Conductivity)とは先の抵抗率(Resistivity)の逆数で表される量です。
導電率=S/cm=1/(Ω・cm)の関係があります。
SI単位では切り出しの形状をm(メートル)で定義しており、導電率はS/mで示されますが、S/cmとは100S/m=1S/cmの関係になります。

セル定数とは

液体を切り出すことができないので、センサを液体に挿入することによって液体を切り出すことと等価な状態を作ります。センサの2極間の距離と電気が通る断 面積が感度を決定します。1辺が1cmのサイコロと等価な、1cm2の断面積と距離1cmの空間を切り出すセンサはセル定数1/cmです。このセル定数 1/cmセンサより距離を1/10にするか、断面を10倍広げるかどちらの方法でも感度が10倍になりますが、そのセル定数は0.1/cmになり、感度を 100倍にしたセンサのセル定数は0.01/cmになります。また感度を1/10に落とすとセル定数は10/cmになります。このセル定数はセンサによっ て若干ばらつきますので、このばらつきを検定してラベルに記しています。変換器はセル定数1/cmのときの等価コンダクタンス信号で校正されていますの で、実際の導電率はセル定数を掛けたものになります。導電率計を使用されるときはセンサのセル定数を間違いなく入力してください。

導電率の基準

塩化カリウムの決められた濃度の温度25℃における水溶液が導電率の基準です。この基準値は下記の表を参照してください。基準溶液を作成するためには、試 薬の純度と乾燥、容器の精度、水の純度、秤量精度、温度計の精度など細かい注意が必要です。例えばメスフラスコの票線は20℃で調整しなければならない し、25℃に加温するときの温度計の精度も0.1℃は必要です

塩化カリウム濃度

導電率 25℃

74.246g/L

111.34mS/cm

7.437g/L

12.86mS/cm

0.744g/L

1.409mS/cm

水溶液の導電率の目安

S/cmの単位は大きすぎて不便なので、100万分の1の1μS/cmや1000分の1のmS/cmが用いられます

溶液の種類

導電率 25℃

比抵抗 25℃

超純水

約0.055μS/cm

約18MΩ・cm

純水

約1μS/cm

約1MΩ・cm

水道水

約100~200μS/cm

比抵抗(抵抗率)はほとんど使われません。

ジュース

約3mS/cm

海水

約50mS/cm

醤油

約100mS/cm

20%塩酸

約850mS/cm

温度補償

物質の導電率は温度によって変化しますので、温度データを一緒に評価する必要があります。液体の導電率は25℃の値で示されることが多く、導電率計には 25℃の導電率に換算する機能があります。これを温度補償といいます。溶液の種類によって温度に影響される度合いが異なりますが、一般の導電率計は2% /℃で温度補償して25℃の導電率の推定値を出力しています。高度な導電率計では、温度補償を任意の関数にできるものや、超純水の温度特性を組み込んだ温度補償があります。温度が25℃から離れるほど温度補償の誤差が増加すること、2%/℃が万能でないこと、絶対値は低いけれども超純水の導電率の温度変化が非常に大きいことを知っていただきたいです。

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私たちの身近なところで見られる導電率に関連した事項を中心に解説しました。
また、導電率計を用いる場合の基礎的な事項および実際の導電率測定に付随する事項についても、続く「導電率測定の基礎」の章でご紹介しています。