微量ガス分析計「AP-380シリーズ」を発売

|   ニュースリリース

~多様な微量ガスの測定ニーズを捉え、電子産業やガス製造プロセスなどの新市場でビジネス拡大~

株式会社堀場製作所(以下、当社)は、一酸化炭素・二酸化硫黄・オゾン・窒素酸化物・炭化水素の濃度を、ナノレベルで高精度に連続測定する微量ガス分析計「AP-380シリーズ」を発売します。
「AP-380シリーズ」は、大気の環境モニタリングに加え、半導体・センサー・電子部品などの製造エリアにおける分子状汚染物質の監視や、ガス製造プロセス中の不純物の監視、自動車内の空気質検査など、多様なニーズに対応する超微量ガス分析計です。カスタマイズ性の高いモジュール設計※1をガス測定部に採用することで、従来は困難とされていたガス測定部単体での提供も可能になりました。これにより装置や既存設備への組み込みなど、お客様のニーズに合わせた柔軟な対応が可能となりました。これまで50年以上にわたり大気汚染監視測定で培ってきた微量ガスの測定技術と実績を活かし、微量ガス測定の新市場でビジネス拡大をはかります。

なお本製品は、2024年1月31日から東京ビッグサイトで開催される、オートメーションと計測の先端技術総合展「IIFES 2024」に出展します。

 

開発の背景

大気汚染監視測定において60年以上の歴史がある当社は、地方自治体や工場などに装置・サービスを提供し、主に大気環境モニタリングのニーズに着実に応えてきました。
一方、微量ガス測定市場は、各種産業プロセスで求められる低濃度ガス測定、ガス製造プロセスにおける品質管理を目的とした不純物質モニタリング、作業者の安全確保を目的としたガス漏れモニタリングなど、多様な測定ニーズがあります。このような背景から、カスタマイズ性・操作性などに優れた「AP-380シリーズ」を開発し、新市場へのアプリケーション提案を強化します。

 

主な製品特長

一酸化炭素用の「APMA-380」・二酸化硫黄用の「APSA-380」・オゾン用の「APOA-380」・窒素酸化物用の「APNA-380」・炭化水素用の「APHA-380」の全5機種を展開します。
 

1.ガス測定部のモジュール設計により、高いカスタマイズ性とダウンタイムの最小化を実現

ガス測定部をモジュール化することで、従来のベンチトップ※2型・ラックマウント※2型のみならず、ウォールマウント※2型、装置内への組み込みなど、お客様のニーズに合わせた使用方法を提案できるようになりました。さらに、多成分測定などお客様の要望にあわせたカスタマイズも可能です。メンテナンスや不具合時にも現場でモジュールを交換できるため、装置のダウンタイムを大幅に削減します。
 

2.ソフトウェアの刷新とフルリモート機能により、作業効率を向上

ソフトウェアを最適化し、視認性や操作性を向上させました。さらに、フルリモート機能を備え、パソコンやスマートフォンなどさまざまなデバイスから遠隔操作ができます。お客様が現場へ移動する回数の削減につながり、作業の効率化や働き方改革に寄与します。
 

3.水銀フリーをはじめ徹底した環境負荷低減設計

消費電力を抑える省エネ化(最大20%削減※3)、軽量化(最大15%削減※3)を実現。さらに、LED光源やオゾン発生器など水銀フリーの部品を使用し、環境負荷低減を追求しました。
 

4.各種ガスをナノレベルかつワイドレンジで測定可能 

ppm※4からppb※5までのナノレベルの高精度測定が可能です。測定できる濃度の範囲を従来製品から大幅に拡大(最大40倍※3)させました。さらに、より高濃度のガスを測定するために、オプションで希釈装置と組みあわせることも可能です。

 

※1 モジュール設計:製品を機能単位で設計して組み合わせる手法。交換やカスタマイズなどが容易にでき、製品の柔軟性や保守性を高めることができる
※2 ベンチトップ:机の上などに設置する方法、ラックマウント:専用の棚(ラック)に機器や装置を収納する方法、ウォールマウント:壁面に支えを作って固定する設置方法
※3 当社従来製品との比較。使用方法や条件によって効果が異なる場合があります
※4 100万分の1を単位とする比率の概念。ガス成分の場合、1ppmは100万リットルのガス中に対象成分が1リットル存在することを意味する
※5 10億分の1を単位とする比率の概念。ガス成分の場合、1ppbは10億リットルのガス中に対象成分が1リットル存在することを意味する

 

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