Industry
エンジンテスト用ACダイナモメータ DYNAS PMシリーズ
概要
次世代のダイナモメータ技術
HORIBAの交流動力計DYNASシリーズに、パーマネントマグネット式のダイナモメータが新たに加わりました。新しいDYNAS PMシリーズでは、速度・トルクの規定レンジ内のさまざまな供試体を試験することができます。また、同等能力の当社従来機種(DYNASシリーズ交流動力計)の1/4以下という低慣性での試験が可能です。動力計とエンジンとの慣性量の差が小さく、捩り振動が発生しにくいため、エンジン接続シャフトの選定も簡単です。
DYNAS PMシリーズでは、高加速性能とコンパクト設計の両方を実現しました。排気システムを動力計の下や横に設置するための専用ベースフレームも用意されており、オリジナルの排気システムと組み合わせてのエンジン試験にも最適です。
トルク測定
軸トルクは回転フランジに設けたひずみゲージ(トルクメータ)にて計測します。計測信号は、非接触赤外線テレメータによりデジタルFMパルスに変換され、ステータに転送されます。
最新型のトルクフランジHBM製T40の採用により、高精度(フルスケールの±0.05%)かつダイナミックレンジの広いトルク測定が可能です。このトルク計測性能によって、オープンクラッチシミュレーションのためのゼロトルク制御を含む走行抵抗シミュレーションを実現しました。
※HBM:Hottinger Baldwin Messtechnik GmbH
特長
- 交流動力計
・低慣性と高過負荷特性により、35000rpm/s以上の応答速度を実現。
・コンパクト設計でセンターハイトが低いため、オリジナルの排気システムと組み合わせたエンジン台上試験が可能。
・水冷式ステータと分離型ラジアル空冷冷却の採用により、小径ボディを実現.。
・耐久性が高くメンテナンスもほとんど不要な、絶縁ハイブリッドベアリングを使用。 - 電力制御盤
・高信頼性のダブルIGBT駆動により、非常にダイナミックで精密なトルク制御が可能。
・一体型パワーフィルタとDCリンク制御により、高調波ひずみを最小限に抑えたクリーンな電気エネルギーを電源にフィードバック。
・停電時に安全にシステムをシャットダウンする機能を搭載。 - インライントルク測定フランジ
・最新技術の高精度HBMのトルクフランジを使用、エンジンクランク軸における高精度・高信頼性のトルク測定を実現。
・高トルク過負荷特性。
・自動トルク校正装置(オプション)により、高精度かつ簡単に校正可能。
・校正アームと重錘の取り付けも簡単。 - スピードセンサ
・高耐久性かつメンテナンスの容易な、中空式の非接触速度センサを採用。
・SSIインターフェイスとHTLパルス信号にて速度伝達。 - 低慣性
・同等従来機種(DYNAS3シリーズ交流動力計)比で最大4倍の加速レートによる、ダイナミック応答。低慣性により広範囲のエンジンに対応可能。 - 高過負荷特性
・低慣性との組み合わせにより、ハイダイナミック応答性能を実現。 - 優れたダイナミック応答とRLS性能
・ダイナミック挙動のシミュレーションやオープンクラッチシミュレーションの性能は、DYNAS3 LIシリーズ交流動力計との比較試験により実証済み。 - 省メンテナンス
・給油不要のグリス封入式シール回転ベアリングとメンテナンスフリーの非接触スピードセンサ。 - 高いカップリング荷重許容限度
・大きな荷重まで許容できるため、中間軸受けなしで簡単に各種エンジンを接続可能。
非常に優れたシミュレーションを実現
DYNAS PMシリーズは、低慣性、高精度でダイナミックなトルク測定、高過負荷特性などの特長を持ち、HORIBAのSPARCエンジンコントローラと組み合せたRLS(ロードロードシミュレーション)に最適です。
高性能DYNAS3 LIシリーズ交流動力計との比較試験でも、オープンクラッチシミュレーションやクランキングシミュレーションを含むゼロトルク制御、および、ギアシフトシミュレーションにおいて、優れた特性を示すことが実証されています。
製造会社: HORIBA
仕様
定格出力[kW] | 最高回転数 [rpm] | 定格トルク [Nm] | 慣性モーメント [kgm2] | |
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DYNAS PM 340 | 346 | 8010 | 550 | 0.15 |
DYNAS PM 470 | 470 | 9000 | 1000 | 0.55 |