蛍光分光光度計 FluoroMax-4

概要

FluoroMax-4は、従来にない高感度と高速スキャンを両立した、実用性の高い蛍光分光光度計。世界のジョバンイボンの分光技術と、フォトンカウティング法により、検出器のノイズも除去。世界最高レベルのS/N比、3000:1を達成しています。高い感度を実現しているからこそ、数値も正確。分析環境のトータルな作業効率を高めます。
また、3D表示と、扱いやすい操作体系のソフトウェア「FluorEssence」と、拡張性の高い充実のオプション群で、さまざまな測定に的確に対応可能になりました。コンパクトで扱いやすいデザインともあいまって、蛍光分光光度計 FluoroMax-4は、蛍光分析のあらゆるニーズを加速します。

特長

  • 高感度測定と高速スキャンを両立。
  • フォトンカウンティング検出器採用による高感度測定
  • Originベースソフトウェア「FluorEssence For Windows」採用
  • 充実したオプション群で多様な分野に対応します。

水のラマン光を用いた蛍光分光光度計の感度測定について

蛍光分光光度計の感度を比較するため、水のラマン光のS/N比(シグナル対ノイズ比)を求める試験は、一般的には異なる装置間の相対的感度の優れた比較方法となります。ところが統一された水のラマン光のS/N比を求める試験規格がないため、複数のデータ処理方法が用いられているのが現状です。いずれのデータ処理方法で得られた値も有効ですが、得られるS/N比の値が大きく異なります。したがって、各社メーカーが提供する水のラマン光のS/N比の値だけを単純に比較するのではなく、データ処理方法についても知っておくことが重要です。

FluoroMax-4で採用している水のラマン光のデータ処理方法について

当社が採用する水のラマン光のS/N比の試験方法におけるデータ処理方法は以下に示す通りです。水のラマン光のピークシグナル値とバックグランドシグナル値との差を、バックグランドシグナル値の平方根(ルート)で割ったものをS/N比として定義しています。この方法はランダムノイズの仮定およびガウシアン統計に基づいており、第1標準偏差は、バックグランドシグナル値の平方根(ルート)に等しくなります。水のラマン光のピーク値は350 nm での励起に対して397 nmにおいて測定され、バックグランドノイズはラマン光シグナルが現われない波長領域 450 nmにおいて測定されます。より理想的な蛍光分光光度計では、バックグランドノイズはゼロに近くなるでしょう。本測定において励起側分光器部のスリット幅 (バンドパス)は5 nmに設定するものとします。
グラフ
FluoroMaxで測定した典型的な水ラマンのスペクトルデータ:ピークシグナル値(397nm)とバックグランドノイズ(450nm)が示されています。

測定条件

  • 励起波長:350 nm
  • ステップ:0.5nm
  • 積算時間:0.5 秒
  • 励起側分光器部のスリット幅(バンドパス):5nm
  • スキャン波長:365-450 nm
  • スペクトルのスムージングは行わず
  • 室温でのR928P 光電子増倍管(PMT)でのシグナル検出

*ピークシグナル値 (397 nm) =601 988 cps
*バックグランドシグナル(450 nm) =14 376 cps
したがって、水のラマン光のS/N比は(601988 - 14376)/√(14376)=4901

ノイズの捉え方が違うから、微弱な発光シグナルを正しく捉えます。

他のデータ処理方法のように検出器からのノイズや電気系統からのショットノイズのみをノイズとして考慮するのではなく、本処理方法ではバックグランド全体の強度をノイズとして捉えているで、システム内の光学系や散乱光等の影響をうける実際の蛍光測定により近い状態を前提としています。特に微弱な発光シグナルを測定する場合にはバックグランドの強度は決して無視できません。


製造会社: HORIBA Scientific

仕様

光学系

すべての波長で焦点合わせ並びに少量サンプルに対する精密な結像が可能な反射光学系を採用

光源

オゾンフリーキセノンランプ(150W)

分光器

平面グレーティング使用 ツェルニィ・ターナータイプ

グレーティング
励起側

200〜700 nm(紫外で最大)

グレーティング
蛍光側

300〜1000 nm(可視で最大)

スリット幅

0〜30 nm、コンピュータで連続自動開閉可能

波長精度

± 0.5 nm

スキャン速度

最大80 nm/秒

積算時間

0.1秒〜160秒

蛍光検出器

200-850 nm対応PMT

励起補正検出器

240〜1000 nm対応フォトダイオード

水のラマン光

400,000カウント/秒以上、
S/N比……3000 : 1(定常スペクトルモード)
測定条件…励起波長(Ex)=350 nm 、蛍光波長(Em)=397 nm、Bandpass=5 nm、 積算時間=1秒

システム制御

PCコンピュータ、専用ソフトウェアFluorEssence

装置寸法

826(W)×480(D)×280(H) mm

試料室

レーザポート及び取り外し可能前面プレート
(追加アクセサリ対応)

試料室寸法

140(W)×270(D)×230(H) mm

供給電圧

5A, 120V
2.5A, 240V
50/60Hz単相

重量

34 kg

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