ぶんせきコラム

温室効果ガスを監視する
FTIRガス分析計


地球規模の環境問題のひとつに、
温室効果ガスによる地球温暖化現 象があります。

私たちはいま、経済活動の発展と環境問題への対策を、両面から取り組まなければならないところへきています。

ガス分析計は、温暖化の要因となる空気中の物質を定量的に把握し、経済活動と環境保全をバランスよく行っていくための基礎的な指標を与えてくれます。

赤外線吸収式ガス分析では、ガス分子を構成する原子とその結合状によって、ガスがそれぞれ特徴的な赤外線吸収を持つことを利用します。

たとえば、代表的な温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)は4.3μm、メタン(CH4)は3.3μmの赤外線を吸収します。

最近では、半導体生産ラインなどで使用されるガス PFC's (*1)にも排出量削減に全世界的な目標値が定められ、FTIR(*2)ガス分析計による計測が始まりました。FTIRガス分析計は、多種類の同時・微量・高速計測ができる能力をいかして、環境保全のほか研究段階から生産ラインまでひろく利用されています。

*1 PFC's:パーフルオロコンパウンド (perfluorocompounds) の総称。
*2 FTIR :フーリエ変換赤外分光法。分解能力が高く、高感度測定ができる。