HORIBAのひとり言

人を見つけて「ついちゃうもん」開発秘話!


神は人類に火を使う特権を与え、火は「あかり」として利用されてのちに照明の機能はたいへん便利なものになりました。照明器具のヒモを伸ばして、寝床からずぼらに消したのはもう昔の話で、いまではリモコンで遠隔操作ができるようになっています。

ところがリモコン照明を設置したものの、かんじんのリモコンの置き場所を忘れてしまい暗闇で点灯にてこずった、なんていう経験は誰にでも一度ぐらいはあるはず。

それなら「いっそのこと、リモコンに赤外線センサを一体化させてしまえば?!」「センサ付リモコンなんて今までなかったな!」

というのが『人体センサ付き電源リモコンついちゃうもん』の製品開発のはじまりでした。

『ついちゃうもん』は、天井照明器具と電源を供給する天井シーリング(端子)との間に取り付ける「受信機」と、受信機へ点灯/消灯の命令を送るリモコン「送信機」から構成されていて、電気工事をしなくても簡単に取り付けられるようになっています。

リモコンには、自動で人を検知して照明を点灯させる赤外線センサが備わっていて、人がいなくなれば5分後に自動的に消灯するタイマー機能があります。また「照度センサ(CdS)」も備えており、周囲が暗い(約50ルクス以下)ときにだけ人を検知して照明器具をコントロールすることもできます。

もちろん、手動でON/OFFするのも簡単。リモコンの置き場所を忘れた暗闇で人を見つけて自動点灯したり、自分の意思で点灯したりと、思いのままの使い分けができるというわけです。

こんなに便利な『ついちゃうもん』、どんなしくみ動いているのか、その裏側は…?

照明器具などの電気製品に使用されるリモコンの多くは、波長約 1μm(100万分の1メートル)帯の目には見えない光「近赤外線」を通信手段として、パルス信号で機器をコントロールしています。

一方、人を「見つける」センサには、「焦電(しょうでん)型」と呼ばれる赤外線センサが利用されています。このセンサは赤外線の変化を電圧に変換する光学素子の一種で、人の体がふく射している波長約10μm帯の光「赤外線」を、光学フィルタによって可視光や遠赤外線などさまざまな波長のなかから選びとって人を検知します。

人の出す「赤外線」を「近赤外線」のリモコンへ、そして「可視光」 のあかりに変換。さらには周囲の明るさをもフィードバック。

まさに「光」をハーモナイズさせた製品が『ついちゃうもん』なのです。