HORIBAのひとり言

空気よりキレイ?
超低公害車をはかる



カリフォルニア州など北米のいくつかの州や都市では、自動車の公害規制が進んだにもかかわらず大気汚染が改善されないことから、
販売台数のうち一定割合の超低公害車(ULEV)の販売を義務づけました。

カリフォルニア州では、北米の約25%の自動車が販売されていて、気候的にも晴れた日が多く日差しが強いことや、シェラネバダ山脈に遮られて大気の動きが悪いことなどから、光化学スモッグの発生が多いと言われています。

光化学スモッグ発生のメカニズムは、大気中の窒素酸化物(NOx)と炭化水素(HC)が、紫外線によりオキシダントを生成するものです。

ULEVは、排ガス中の有害成分である一酸化炭素(CO)、HC、NOxの濃度がとても低く、触媒があたたまっているときは、大気中の濃度よりも低い、ほとんど0ppmの排ガスを排出します。つまり、この自動車が走行すると、有害成分を含んだ大気を吸入し、ほとんどゼロレベルに浄化された排ガスを排出するので、空気精製器の役割をすると言ってもよいほどなのです。

ところが、ULEVといえども排ガス中には、約13%の二酸化炭素(CO2)と水分(H2O)を含んでいます。

HORIBAでは、ULEVの開発や規制のための低濃度ガス分析機器の開発を行っています
しかし、これら高濃度のガス中の有害成分を1ppmを下回る濃度で測定し、同時に精度も向上させなければならないというのは、とても難しい仕事です。ときには大気を吸い込ませて、メータが振り切れてしまうという失敗を経験したこともありました。