「2017堀場雅夫賞」募集開始

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対象テーマは「人の生活を豊かにする水計測」

当社は、2003年に創設した研究奨励賞「堀場雅夫賞」の第14回となる本年度募集を、3月1日から開始します。今回の対象テーマは「人の生活を豊かにする水計測」です。本賞は、毎年テーマを定め、多数の研究者の皆様から応募をいただき、その中から毎年3名の研究者を表彰しています。分析・計測技術発展の将来の担い手となる方々の画期的でユニークな研究を支援することで、分析・計測技術の発展の一助になればと願っています。弊社の社是である「おもしろおかしく」を研究の場で実践されている研究者・技術者の積極的な応募を期待しています。

 

今回の募集対象:人の生活を豊かにする水計測

  1. 「人の生活を豊かにする水計測」に寄与する、下記の分析・計測・解析技術を募集対象とします。
     その場計測・分析に関連する技術
    (例:測定試料を実験室に持ち帰るのではなく、現象が起こっているその場で計測・分析できる技術など)
  2. 液体計測と情報処理技術(ICT、IoT、AIなど)を組み合わせた技術
  3.  自動計測の高度化に寄与する技術
    (例:メンテナンスフリー、ノンサンプリング技術など)

なお、本募集における「水」は、環境水(湖沼水、河川水、海水、地下水)や産業プロセスにおける水(上水、下水、海水淡水化などの水処理プロセス)のほか、水を主成分とする各種液体(飲料水、養液、培養液、洗浄液など)も含みます。ただし、体液の測定や臨床検査に関する技術は除きます。

 

応募要項
応募資格国内外の大学または公的試験研究機関に所属する方
募集分野「人の生活を豊かにする水計測」
応募期間2017年3月1日~5月19日
審査方法審査委員会が応募書類に基づき実績と将来性を審議し決定
発表7月末予定
賞の内容受賞者には、賞状及び副賞を授与
副賞は1件あたり金150万円(50万円/年×3年)を授与します。
(応募資格の継続が条件となります。)
授賞式および受賞記念セミナー2017年10月17日(火)に京都大学芝蘭会館(京都市左京区吉田牛の宮11-1)にて実施します(受賞者による講演やポスターセッションを通して、研究内容を広く社会にアピール)。
応募方法応募書類など詳細は、本賞ホームページに掲載:
http://www.mh-award.org/
応募・お問い合わせ先            〒601-8510 京都市南区吉祥院宮の東町2番地  株式会社堀場製作所内 堀場雅夫賞事務局
TEL:075-325-5110 / E-mail:info(at)mh-award.org

 

審査委員会
審査委員長

堀場 厚:
(株)堀場製作所 代表取締役会長兼社長

副審査委員長滝沢 智:
東京大学大学院工学系研究科 教授
海外審査委員Shane A. Snyder (シェーン スナイダー):
Professor, the University of Arizona USA(アリゾナ大学 化学・環境工学教授) 
審査委員 今井 章雄:
国立環境研究所 地域環境研究センター長
審査委員 鳥村 政基:
産業技術総合研究所 環境管理研究部門 総括研究主幹
審査委員 由井 宏治:
東京理科大学 理学部第一部 化学科 教授
審査委員 高木 想:
(株)堀場アドバンスドテクノ 開発本部 要素開発部 副部長
審査委員 川口 佳彦:
(株)堀場アドバンスドテクノ 開発本部 要素開発部 Sensing チームリーダー

 

人の生活を豊かにする水計測

私たちが生きていくうえで、「水」が非常に大切であることはいうまでもありません。水にまつわるさまざまな現象を正確に知ることは、生活の質の向上につながります。私たちは、飲料水・食品・農作物・医薬品だけでなく、海や川などの環境水を通して、直接的または間接的に「水」と関わっています。水をよりよく活用するには、誰もがどこでも簡単に水の計測を実現できる技術や日々の生活に溶け込んだ計測技術、得られた多くのデータを解析して新たな価値を生み出す情報処理技術などが求められます。
本年の堀場雅夫賞は、水を計測対象として、「簡単に」「正確に」「リアルタイムで」「その場計測・分析」が可能な計測技術と情報処理技術を複合し、新たな価値の創造につながる研究開発にスポットを当てます。


ご参考

賞の背景

創業者の堀場雅夫が学生ベンチャーの草分けとして興した当社の歴史は、国産初のガラス電極式pHメータの開発から始まり、今日までその分析対象を液体・気体・固体分野へと拡大しながら、総合分析機器メーカーとしてグローバルに事業を拡大してきました。その発展を支えてきたものの一つに、創業当初からの大学や研究機関との連携があり、地道に基礎的な研究開発に取り組んできた研究者・技術者の努力が大きな原動力となっています。21世紀を迎え、分析・計測の重要性が社会的にも増してくる中、分析・計測技術の分野で、新たな起業・事業化の源となりうるアカデミックな研究・開発を支援するため、創業者の名前を冠した「堀場雅夫賞」を2003年創設しました。

 

賞の趣旨

本賞は、画期的な分析・計測技術の創生が期待される研究開発に従事する国内外の研究者・技術者を支援し、科学技術における分析・計測技術の価値をより一層高めることを目的とします。毎年対象分野を定めることで、その成果や今後の発展性を世界的にアピールするべき研究・開発に焦点を当てていきます。基礎から応用まで、対象分野においてユニークな研究開発に「おもしろおかしく」従事され、将来の分析・計測技術発展の担い手となられる方々の積極的な応募を期待しています。

 

故・堀場 雅夫 (創業者)について

1945年10月、京都帝国大学(現京都大学)理学部在学中に、当社前身の堀場無線研究所を京都に創業。今で言う学生ベンチャーの草分けとして出発。学生時代の専攻は核物理で、大学教授であった父・信吉氏と同じく、卒業後は大学に残って研究者になる道を志していた。しかし、終戦と同時に米軍が、サイクロトロン破壊など原子核関係の研究・実験を禁止する措置を取り大学での研究を続けられなくなった。自由に実験や研究ができる私設研究所をつくろうと決心したのが創業のきっかけ。
1953年1月、株式組織に改組し社長に就任。堀場無線研究所時代に電解コンデンサーを開発し事業化を試みるが、朝鮮戦争のインフレのため計画は頓挫。代わりに、コンデンサー生産のために開発したpHメータを商品として売り出し、現在の株式会社 堀場製作所を設立した。設立当時から大学との産学協同体制で、次々と新しいpHメータを開発。現在までに至る事業の基盤を確立した。1978年、53歳で会長に就任。この時、人生哲学でもある「おもしろおかしく」を社是に制定。会長に就任後は、日本の中小企業、ベンチャー企業の支援や京都の活性化、また将来の社会を担う人材を育成するため、根本的な教育改革のためにも力を尽くした。なお、2006年3月、革新的で情熱的な起業家として世界各国の研究や業績を支援する製品をもって地球規模の計測機器ビジネスを創始した活動は、分析化学分野の発展への貢献大として、米国「Pittcon Hall of Fame」(分析化学界の殿堂入り)を、欧米人以外で初めて果たした。2015年7月に永眠(満90歳)。