当社は、100%子会社の（株）堀場エステックが主力のマスフローコントローラを生産している阿蘇工場（熊本県 阿蘇郡）を、現在の3倍の規模に増強します。さらに、新工場を同社製品だけでなくHORIBAグループの国内量産品主力工場に位置付けを格上げし、半導体分野に加えて医用や理化学分野製品の生産を移管・増産します。
生産増強のための設備投資を含む、総投資額は約15億円で、延べ床面積を現状の約3倍に増設し、グループ拡大に向けた生産体制を増強します。新工場は今月下旬に工事着手(起工式は4月13日予定)し、今年10月17日の当社創業60周年記念日に竣工、2006年1月から全館本格稼動の計画です。アジア圏におけるコア生産拠点の一角として、中国・韓国のグループ工場と連携しながら、各工場の強みを生かした生産体制構築を目指します。
＜生産増強への背景＞
堀場エステックの阿蘇工場は、同社の主力製品マスフローコントローラ（半導体製造装置用の流体制御機器：以下MFC）の量産工場で1988年9月に稼動。以来、MFCの短納期化・迅速対応に貢献し、世界トップシェアに結びつく事業拡大に寄与してきました。同社創立30周年にあたる昨年2004年1月には、HORIBAグループのコア生産拠点に拡大する狙いから、それまで賃借していた工場用地を同社が取得しています。
従来の同社の量産工場から、グループの国内量産主力工場へと格上げする形で、このたび同工場増強の設備投資に着手します。
＜新工場の概要＞
新工場は、従来の延べ床面積2470 m2を約3倍の7340 m2に増強します。生産品目は、従来の量産タイプの気体MFCに加えて、堀場エステックの本社工場(京都)で扱っている液体MFCおよび2003年に米国企業と技術・販売提携した真空計など新製品の生産を移管します。さらにMFCで培ってきた“量産技術”を横展開し、当社の医用分野主力製品の血球計数装置の試薬生産や、理化学分野の小型量産品を現在の本社工場から移管します。また、半導体市場向け商品であるMFCは、クリーンルームの環境下で生産しています。この設備環境を生かして半導体分野向けの大型検査装置の生産も、将来的に当社の本社工場から移管する計画です。
＜今後の展開＞
アジア圏のHORIBAグループ生産拠点は、中国(上海)・韓国(プチョン)の海外2拠点と、当社と堀場エステックの各本社工場(京都)、今回能力増強する阿蘇工場の国内3拠点があります。阿蘇工場は熊本空港に隣接し、東アジアへの地の利を生かした対応ができ、グループの国内量産品の主力工場として、アジア圏のコア生産拠点の一角を担います。
今後は、各工場で得意とする市場分野・商品サイズですみわけを行う一方、これらを有機的につなげた、フレキシブルでありながら連携を持った生産体制構築を目指します。
参考資料
- 堀場エステック阿蘇工場 概要
住所：熊本県阿蘇郡西原村大字鳥子字講米畑358−11 鳥子工業団地
TEL（096）279−2921 FAX（096）279−3364（アクセス：熊本空港より車で10分）
敷地面積：30,554 m2
建屋面積：2,180 m2（増強後6,390 m2）
延べ床面積：2,470 m2（増強後7,340 m2）
工場長：宇野 敏彦
（堀場製作所常務執行役員生産センター長 兼 堀場エステック執行役員生産本部担当）
従業員数：55名
- 工場の新旧比較：
＜現在＞
既存棟：建屋面積2,180 m2、延べ床面積2,470 m2
主な生産製品：マスフローコントローラ
＜増強後＞
増築棟：建屋面積4,210 m2、延べ床面積4,870 m2
主な生産製品：マスフローコントローラ
真空計、医用試薬、理化学小型製品、半導体検査装置
- 株式会社 堀場エステック
1974年、大気汚染測定装置に用いる標準ガス発生器の開発を機に設立。その後、ガス発生器で培った技術を、半導体分野へ応用展開。半導体製造分野では不可欠な流体制御機器マスフローコントローラの世界シェア1位と、業界をリードしている。2003年に米国企業との技術提携により、真空計測技術を生かした製品群を導入。流体制御分野の高付加価値と多機能化に磨きをかけ、リーディングカンパニーとして成長を続けている。グループブランド戦略の一環として、2004年7月1日に現在の社名に変更（旧社名：エステック）。本年3月に当社の100％子会社となる。
資本金：14億7800万円 (堀場製作所 100％出資)
設 立：1974年1月
所在地：京都市南区上鳥羽鉾立町11番地5
売上高：100億8800万円 (2004年3月期)
社員数：367名