京都大学、徳地教授主催の芦生研究林におけるフィールドワークに参加しました

2018年11月15日


11月15日、弊社は京都大学フィールド科学教育センターの徳地直子教授主催の芦生研究林におけるフィールドワークに参加しました。徳地直子教授は、以前よりHORIBAグループとフィールド活動を通じてのご縁があり、今年の10月16日には弊社にて、ご講演いただきました。

ご講演は「森林調査からみえてくるもの・森林で水質をはかること」と題して、徳地先生のご研究内容である、森林生態系の物質循環の解明に関してご説明いただきました。実際の森で起こっているシカの過食害被害から始まり、河川におけるフィールド水質測定の方法のご紹介、さらには土壌溶液の溶存物質である窒素成分の流出問題、あるいはアンモニア態窒素や硝酸態窒素に形態変化した場合の窒素循環機構の乱れが、生態系に及ぼす影響など、緩急織り交ぜた様々な視点からとらえられた大変興味深い内容でした。

そして今回、芦生研修林の現状と保全活動を実際に体験させていただく機会を頂戴しました。

 

■芦生の森について

芦生の森は、京都府JR園部駅から車で約50分に位置する原生的な森林です。その中の一部の原生的な森林(約4200ha)を京都大学が100年間の契約で周囲の集落より1919年~借地として借りています。当初は研究目的からという理由からではなく、芦生地域の交通の便が悪かったので京都大学の技術力による開発が期待されたことが始まりのようです。

その後、芦生の森の本格的な研究が始まります。来年は借地より100年目を迎える更新年であり、次の100年も森林の適切な保護と生態系の保持、研究を存続すべく、地道な活動が続けられています。

そんな森の抱える問題一つに、個体数が増加したニホンジカによる過食害被害、草木の減少、固有植物の衰退、森林の生態系バランスの変化があります。

 

≪草木の減少による、風景の変化の様子≫ 

1998年

2005年

※1998年と2005年の比較写真
※写真はABCプロジェクトおよび村尾嘉彦氏のものを引用

対策としては、猟師の導入や侵入防止ネット等の導入等が研究者、学生、有志の手で行われています。しかし4200haという広大な土地での、少人数による保全活動には限界があります。美しい森の生態系を守っていくため、次の100年に繋げるためにも企業や都市部との連携、対話の場と協働が非常に重要になってきています。

 

≪美しい芦生の森と今回のフィールドワークの様子≫

芦生の森玄関口

フィールドワークの様子

芦生の森の中

野生のなめこ

フィールドワークを終えて...

今日触れ合う機会が少なくなった自然に巡り合うことができ、改めて自然のすばらしさと大切さ、生態系を持続していく難しさ、そして自然の奥深さを再認識しました。元来、自然は人間から独立していた方が良いと思われますが、時には人の手による介入が望ましい場合もあるということも、実際に芦生研究林の現状、保全活動を見たことにより、学ぶことができました。

森林と土壌、そして河川は一つの生態系として繫がっています。一度何かが崩れてしまうと連鎖的に波及してしまい、元の状態に戻すためには、想像以上に時間と労力がかかります。地道な一つ一つの研究や保全活動が時間をかけ醸成されていくという点では、企業のCSR活動にも似ているのではないでしょうか?

弊社は、水質計測をはじめとする様々な計測技術を有しており、環境水や上下水、生活排水、工業用水まで人々の日常生活や産業界の営みまで「水のインフラ」「社会の安心・安全」を支えています。この長年培ってきた経験と分析・計測技術で森や里はもちろんのこと、身近な生活環境から地球環境の保全にいたるまで、環境に携わる企業としてできることを取組みたいとともに、SDGsが目指す社会に貢献できることを模索し続けていきます。

 

 <本記事に関連するSDGs>

SDGs(エスディージーズ):Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)は、17のゴール、169のターゲットで構成されています。

Goal 15では「持続可能な森林経営の推進」「生物多様性の損失阻止」が記述されています。

Goal 6では「水に関する生態系の保護や回復」がターゲットとされています。