「おもしろおかしく」の精神で持続的成長を遂げ、新たな時代を切り拓きます

新たな経営体制となった2018年は、創立65周年を迎え、売上高も2,000億円を突破しました。
様々な分野において技術が大きな変化を遂げる時代のなかで、本業の「はかる」技術を軸に、高付加価値な製品・サービスの創出に挑み続けます。

 

売上高2,000億円を突破し、MLMAP2020達成に手応え

新しい経営体制となった2018年12月期の業績は、売上高2,105億円(前年比7.8%増)、営業利益288億円(同7.5%増)といずれも過去最高を更新しました。なかでも、売上高は2,000億円を突破し、2020年を目標年度とする中長期経営計画「MLMAP2020」の達成に向けて、確かな手応えを感じています。
2018年を総括すると、株式会社堀場エステック阿蘇工場拡張後の本格稼働、北米ニュージャージー州における開発・生産拠点の強化、バッテリー試験装置や燃料電池試験装置の開発・製造を手掛けるFuelCon社(独)の買収など、将来に向けた積極投資を行い、新たなマーケットやビジネスモデルをつくるための大きな一歩を踏み出すことができた1年でした。
2019年12月期は、売上高2,180億円(前年比3.5%増)、営業利益290億円(同0.6%増)と、どちらも過去最高を更新する予想※1です。引き続き半導体システム機器部門と自動車計測システム機器部門が業績を牽引しながらも、環境・プロセスシステム機器、医用システム機器、科学システム機器の3部門においても前年比で増収増益となる見通しです。
現在の事業環境を見ると、世界的な排ガス規制・環境規制の強化が進んでいます。また、CASE※2という言葉に代表されるように、自動車産業においては100年に一度の変革期と呼ばれるほどダイナミックな変化が起きています。さらに、中国やインドを中心としたアジア諸国は、先進国に肩を並べる勢いで成長を遂げており、市場構造も大きく変わり始めています。今までとは違うステージで戦うためにも、よりいっそう経営力に磨きをかけていきます。

※1:2019年2月12日発表時点の予想
※2:CASE…Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字を取った、次世代自動車技術の総称

 

技術の潮目が変わる時代に多面的な視点で意思決定を強化

私が代表取締役会長兼グループCEO、齊藤壽一が代表取締役副会長兼グループCOO 、足立正之が代表取締役社長という経営体制となり、1年が経ちました。齊藤はグローバル全体の経営と事業運営を、足立は事業部門を横断的に見ながら「技術のHORIBA」をさらに強化すべく基礎技術や研究開発を、私はグループ全体のバランスをみるという役割分担が機能してきました。私も、今まで以上に外に目を向けることができるようになり、グループ会社を精力的に訪問し、自身のおもいを直接伝えることで、企業文化のさらなる浸透を図るとともに、世界各国でより多くのお客様や学術機関・政府機関の方々とお会いし、幅広い関係を構築することができました。
外部環境に目を向けると、各分野の技術やお客様のニーズが、急激なスピードで変化し、まさに技術の潮目が変わっていくことを実感しています。このような状況のなか、買収や拠点強化、技術開発投資など、より多面的な視点から迅速な意思決定ができるようになった新体制には、大きな手応えを感じています。
2023年に迎える堀場製作所の創立70周年を見据えたこれからの5年間は、自動車産業をはじめとして、今まで以上に技術と市場の大きな変化が予想されます。我々も5つの事業部門で保有するリソースを組み合わせるなど、それらを有機的に活用してお客様のニーズをスピーディーにくみ取ります。そして新たなビジネスモデルを確立することで、次の時代を切り拓いていけるよう前進してまいります。

 

人と技術を育み、買収した企業との強力なシナジーを発揮

HORIBAは、自社で保有する技術や市場とのシナジーが見込まれるビジネスを行う企業をグループの一員に迎えることで、成長してきました。
企業買収において製品やサービスが重要であるのはもちろんのことですが、なにより大切なのはそこで働く「人」であり、その人たちが創り出す「知恵」や「技術」です。私は買収の際には、経営層はもちろんのこと、その会社で働く人たちがどのような特徴を持ち、どのようなモチベーションで仕事をしているのかを特に見るようにしています。この「人を見極める力」こそが、グローバルマネジメントにおいて最も重要だと考えます。
2015年のMIRA社(英)に続き、2018年10月にはFuelCon社(独)がHORIBAに加わりました。新しくグループの一員となった企業の従業員には、私を含めた経営陣が直接会いに行くようにしています。技術や人をブランド力の中心に据え、社是「おもしろおかしく(Joy and Fun)」を具現化させたユニークな企業文化を伝え、共感してもらうことで、力強い相乗効果を生み出し、ともに成長することができると確信しています。


長期視点の投資で持続的成長を

HORIBAでは、5つの事業部門にバランスよく投資をしてきました。かつて半導体産業が停滞した時には、医用システム機器部門と科学システム機器部門がカバーしてくれたおかげで赤字を回避することができました。そして、その際にも将来を見据えて半導体システム機器部門への投資を続けた結果、今では一番の収益源に育てることができました。また海外を中心に積極的に進めたM&Aにおいては、買収後もその企業に継続的な投資を行うことで、グローバルに見てもバランスの良い事業成長を遂げることができました。
持続的な成長を果たすためには、1つの視点にとらわれない、大局的な視点での投資が不可欠です。その成果が見えるまでには5年から10年のタイムラグが発生しますが、諦めずに粘り強い経営を続けていくことにより、将来の大きな果実を得ることができるのです。

 

多様なお客様のニーズに応える個性輝く人財

HORIBAは、自動車や半導体など、高度な技術が求められる分野において世界の最先端をゆく多くの企業をお客様としています。当然ながら要求水準は非常に厳しく、そのニーズに応えていくためには常に技術力を磨き続けなければなりません。それも限られた分野ではなく、広範囲な産業に渡っており、今まで高めてきた技術力を駆使しながら常にグローバルトップレベルのお客様とビジネスをすることができる環境は、会社として非常に大きな魅力だと考えています。「自分の専門性を活かしてユニークな製品・サービスを生み出していきたい」と、新卒から中途入社者まで多くの優秀な人財が集まり、また新たなお客様のニーズに応えていくという循環ができあがっています。
現在のHORIBAは、グループ従業員約8,000名のうち60%以上が外国人であり、さらにグループ全体で220名の博士号取得者がいます。こうした多様な人財が、今日のHORIBAの成長を支えてくれています。また、HORIBAステンドグラスプロジェクトをはじめとして、様々なバックグラウンドや考え方を持った人たちがその能力を発揮し、働きやすい環境を構築する取り組みにも注力しています。
我々経営陣の使命は、次世代を担う人財をより多く輩出していくことであると認識しており、かつて私や齊藤、足立がそうしてきたように、早いうちから海外のビジネス環境で戦い、幅広い部署や地域でより多くの経験を得るべきであると考えています。海外勤務ではより多くの修羅場や失敗を経験することとなりますが、これに勝る人財育成はありません。また、日本から離れた場所で生活することにより、HORIBAが解決すべき新たな社会課題を見つけることもでき、ビジネスパーソンとしての視野を広げることにもつながります。社内における取締役・執行役員の9割以上が海外赴任を経験しており、若い世代の従業員も多くのチャンスを得られるよう、公募による海外研修などの制度を整えています。

 

「はかる」技術で社会へ貢献

2015年に策定された、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)では、様々な社会課題が挙げられていますが、その多くの社会課題の解決は、「はかる」ことから始まると考えています。
昨今、HORIBAはお客様から「サプライヤー」ではなく、「パートナー」だと言っていただけるようになりました。我々は自動車のエンジン排ガス測定装置や、工場からの排水モニタリング装置など、様々な分析・計測技術を駆使して、社会課題解決の一助となる製品を提供しています。つまり、お客様の真のパートナーとして質の高い「はかる」技術を提供していくことそのものが、社会への貢献になると考えています。事業成長を通じてどのように社会に活力をもたらすことができるかを常に考え、行動することで、社会的責任を果たしてまいります。
これからも「はかる」技術を通じて、すべての従業員が一丸となり、豊かな社会への貢献をめざすHORIBAを、末永くご支援くださいますよう、よろしくお願い申しあげます。


2019年4月
代表取締役会長兼グループCEO 堀場 厚