産業プロセスモニタリング技術を強化 米国 プロセス・インスツルメンツ社（Process Instruments, Inc.）を買収

HORIBAグループ（以下、HORIBA）の米国拠点を統括するホリバ・インスツルメンツ社 （本社：米国カリフォルニア州アーバイン）は、10月2日（現地時間）に環境・プロセス市場向けにプロセスラマン分光装置を開発・生産・販売するプロセス・インスツルメンツ社（Process Instruments, Inc.本社：米国ユタ州ソルトレークシティ｜以下、PI社）を買収する契約に署名しました。
当買収により、PI社が北米を中心に展開している主力の石油精製･石油化学を中心とする産業プロセス計測事業を、HORIBAが持つグローバルの販売網を活用して事業拡大を図ります。

また、PI社が石油市場で培った堅牢性に優れた装置とデータ解析力に、HORIBAの多岐に亘る分光技術を組み合わせることで、高精度かつ多様なアプリケーションの創出が期待できます。これにより、石油産業以外にも製薬や素材などの産業プロセスモニタリングの新しい価値を創造し、市場の席捲とシェア獲得を狙います。

HORIBAは新しい事業分野への挑戦を続けることで、創業以来70年にわたり培った「ほんまもん」の技術を進化させ、中長期経営計画MLMAP2023^※で掲げる三つの注力分野「エネルギー・環境、バイオ・ヘルスケア、先端材料・半導体」での事業成長をさらに加速します。

[買収の背景と事業拡大の狙い]

HORIBAのグローバルネットワークによるPI社事業の拡大―

あらゆる産業でより速く高品質なものづくりを実現するためには、生成物の化学反応プロセスをリアルタイムでモニタリングして生成物の状態をコントロールすることが重要とされ、今日産業プロセスモニタリングへの需要が増しています。なかでも石油精製・石油化学の現場においては、過酷な使用環境でさまざまなパラメーターを効率よく計測することが求められます。

PI社の主力製品であるプロセスラマン分光装置は堅牢性に優れ、多くの計測対象パラメーターを一つの装置で計測できることから競争力が高く北米で高いシェアを誇ります。ここにHORIBAのグローバル販売サポート網を活用することで、PI社の産業プロセス計測事業を北米からグローバルへと事業拡大を図ります。

両社技術の融合による新市場の開拓―

両社技術の融合にはさらに大きな可能性があります。HORIBAの強みの技術であり、PI社の主力製品にも使用されているラマン分光は分子識別性に優れる分析ソリューションです。他の代表的な分析ソリューションとして知られるクロマトグラフィーや近赤外分光と比較して高精度な分析ができる特長から、ラマン分光の産業プロセスモニタリングへの展開ニーズが高まっています。

さらに、HORIBAにはラマン分光だけでなく長年培った多岐にわたる高精度な分光技術群があります。PI社が石油関連市場で培った装置の堅牢性やデータ解析力とHORIBAの高精度な分光技術群を組み合わせることで、産業プロセスにおいてこれまで困難とされてきた高精度なリアルタイムモニタリングを実現し、新たなアプリケーションの創出が期待できます。

特に投資が盛んな分野では開発競争の激しさを背景に、より迅速かつ高精度な産業プロセスモニタリングへのニーズが高まっています。例えば、バイオテクノロジーの目覚ましい発展により、新薬やバイオ医薬品の開発競争が激化しているバイオ・ヘルスケア分野。小型化・軽量化の追求から、より微細で高機能な材料開発競争に研究者がしのぎを削っている先端材料分野などで特に顕著です。

これら開発競争の激しい産業分野に向けた新たなアプリケーションの創出を、両社技術の相乗効果により推進します。さらにはカーボンニュートラル分野でのアプリケーション創出も視野に入れ、「エネルギー・環境、バイオ・ヘルスケア、先端材料・半導体」の三つのメガトレンド市場で多様なアプリケーションを展開し、ものづくりの革新に貢献します。

 [プロセス・インスツルメンツ社の概要]        

    
[ホリバ・インスツルメンツ社の概要]

        
※ MLMAP（Mid-Long Term Management Plan）︓HORIBAグループでは中⻑期経営計画を「MLMAP」として推進しています。