赤血球

酸素の運送屋 赤血球

赤血球ってどんなもの?

赤血球は円盤状の細胞です。両面の中央にへこみがあり、核がないことが特徴です。直径は約8μm、厚さはまわりが約2μm、中央部が約1μmです。血球成分のなかで最も数が多く、血液1mm³(1μL)につき386~555万個もあります。例えば、1人分の赤血球を横に並べると、地球の赤道を約4.5周するほどの数です。

赤血球のはたらき

赤血球の主な働きは酸素の運搬です。赤血球の中にはヘモグロビンが密集しており、肺で酸素をヘモグロビンと結合させ、酸素に満ちたヘモグロビンを体中の組織へ運びます。そして、組織で不要になった二酸化炭素を肺に運び出す働きをしています。また、体のすみずみまで酸素を行き渡らせるために、赤血球はさまざまな形に変わりながら細い血管の中に入っていきます。これが、赤血球が球状ではなく円盤状である理由だと考えられています。

検査でわかること

赤血球数を検査すると、赤血球の生産・消失・破壊などの異常がわかります。赤血球は骨髄でつくられ、生産にはエリスロポエチン、ビタミンB12、鉄などが必要です。赤血球数が減少すると酸素の運搬能力が低下し、酸欠状態になって貧血症状を起こします。また、赤血球を破壊する溶血性貧血もあります。反対に赤血球数が増加すると血液が濃くなることで流れにくくなり、血管が詰まりやすくなります(多血症)。

 

赤血球の基準範囲

男性4.35~5.55×106/μL
女性3.86~4.92×106/μL

参考資料:JCCLS共用基準範囲

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