ぶんせきコラム

専用装置で
WEEE/RoHSへ対応


分析コラムでは以前、電気・電子機器のリサイクルと廃棄についてのEU指令、「WEEE」と「RoHS」についてとりあげました。使用済み機器のリサイクルを義務づけ、製品のライフサイクルにおいて有害物質の使用を禁じるこれらの指令によると、EU各国へ製品を輸出する国内メーカも対応をせまられることとなります。
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欧州のWEEE/RoHS指令とは
「WEEE」と「RoHS」のEU指令は、それぞれ「使用済み電気・電子機器に関する指令」および「有害物質の使用禁止指令」などと訳されています。

前者は使用済みとなった電気・電子製品などの回収・リサイクルをメーカが負担することを義務づけ、いっぽう後者は鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニール、ポリ臭化ディフェニールの特定有害6物質を使用禁止とするものです。

指令発効にがもたらす大きな影響
これらの指令が発効すると、EU加盟各国では2006年より関連法令が施行される可能性が高いといわれています。指令により、EU域内で該当機器を生産する企業はもちろん、この地域に製品を輸出する日本のメーカも例外ではありません。また、将来的に国際標準に発展する可能性も指摘されています。

指令では対象となる製品群がたいへん幅広いため、その影響はとても大きいものになると予想されます。また機器を構成する部品は、世界各地から調達されることが一般的となっていて、そのひとつひとつについて、有害物質の有無を確認することはたいへん困難です。

有害物質を検出するには
部品などの個体中に含まれる特定の物質を検出するためには、「蛍光X線法」という原理がよくもちいられます。これは試料にX線などを照射し、物質中の電子を励起状態にします。この電子がもとの状態に戻るとき、特有の波長のX線が放出されることから、そのスペクトルを得て、どんな成分がどのくらいの濃度で含まれているかを知るというしくみです。

電気・電子機器に使われる部品について、特定有害物質が含まれないことを確かめる目的でも、この方法は適切な方法です。しかし、近年とくに電子部品の高集積化が進んでおり、部品の大きさは年々微小化の一途をたどっています。

従来の蛍光X線法による分析装置は、ある程度の強さの蛍光X線の強度を得て精度の高い測定を行うには、およそ3mm角ほどの試料が必要です。これでは、たとえば1mm程度まで小型化された部品を測定するには、同じ部品を10個ほどならべるか、測定時間を10倍以上かけてX線を積算するしかありません。しかし、そのどちらも測定の手間をふやすことになり、またノイズの増加などが原因となり期待したほど精度は得られないことがあります。

WEEE/RoHSのために開発されたソリューション
多数の微小部品で構成される電気・電子機器の有害物質を、できるだけ手間をかけずにスピーディに行う目的のため、専用に開発されたのが『有害元素蛍光X線検査装置』です。この装置では、「X線導管」という技術をつかって試料に照射するX線を直径1mmに絞り、その強度を従来の約10倍に高めています。そのため、もっとも微小な直径1.2mmの領域に含まれる有害物質を、たとえばカドミウムで2ppmという高感度で検出します。

また、測定ではCCDカメラによる50倍拡大画像を見ながら測定ポイントを指定することができます。大型部品にも対応する資料室により、大きな部品のうち特定の部位を、破壊することなく検査したいといった用途にも対応します。

『有害元素蛍光X線検査装置』の詳しい情報は、次の製品情報から。

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