HORIBAの役割

専用の試料セルを独自開発し、確実に「まもる」

化学分析チームでは、蛍光X線とラマン分光を用いて非破壊・非接触での「リュウグウ」試料の分析が最初に行われ、その後もさまざまな手法で分析を行います。したがって、化学分析チームにおける第一走者の役割を担うHORIBAには高精度な分析装置だけではなく、次の分析へと確実にバトンをつなぐため、試料の汚染を最小限に抑えた高度なサンプルハンドリング(試料の取り扱い)も求められています。

分析する際に試料に手を加える前処理を行わないことはもちろんですが、試料の状態を維持するため、保管・運搬・分析作業のあらゆる工程で大気などにさらさない工夫が必要です。さらに、さまざまな分析計を行き来する試料を保護し、分析に最適な状態を保つ必要があります。こうした背景から、HORIBAはこれまで培ってきた分析ノウハウをいかし、セルと呼ばれる「リュウグウ」の試料を入れる専用の容器を開発しました。
外側は強度を保つためアルミニウム製、内側は試料を固定しやすい樹脂製にし、微量な試料を正確に測るための工夫を凝らしました。運搬する際も試料へ影響を与えることのないよう密封性を高め、セルのふたを取り外せば、異なる分析装置でもそのまま分析できるところも特徴です。

HORIBAが担う分析は、2021年2月に完成したグループ会社である堀場テクノサービスの新本社ビルにある、最先端ラボ「Analytical Solution Plaza(アナリティカルソリューションプラザ)」の「はやぶさルーム」で行います。HORIBAが持つ「はかる」技術をフル活用し、ミッションの達成に向けて全力で挑みます。


独自開発した試料セル


「リュウグウ」の試料分析を行う「Analytical Solution Plaza」