事業領域拡大と新たなビジネスモデル構築を通して「ONE STAGE AHEAD」
売上高 3,000億円、営業利益 400億円の達成をめざす
音声配信 中長期経営計画「MLMAP2023」説明会(2019年8月7日)
当社はこれまで、社是「おもしろおかしく」の精神と“HORIBA Group is One Company.”の経営方針を浸透させてきました。また、5つの事業部門(自動車計測、環境・プロセス、医用、半導体、科学)と、3つの地域(アジア、欧州、米州)によるマトリックス組織を通じてグループ一体となった経営を行い、事業成長を実現してきました。
一方で、当社を取り巻く事業環境は劇的に変化しています。自動車産業においては技術の潮目が変わり、電動化や自動運転といった次世代技術に大きな進展を見ることができます。また、AIやIoTといった先進技術の普及促進により、半導体、バイオ、ヘルスケアといった市場においても地殻変動が起きています。さらに、中国やインドを中心としたアジア諸国は先進国に肩を並べる勢いで成長を遂げ、世界の市場構造そのものが大きく変わり始めています。
このような状況下で、当社は2015年のホリバMIRA社(イギリス)や、2018年のホリバ・フューエルコン社(ドイツ)の買収による自動車計測事業の強化、医用事業のアライアンス拡大、半導体事業における供給力増強など、ビジネスモデルの変化を伴う決断を行ってきました。2018年12月期には、売上高2,105億円、営業利益288億円となり、2020年に売上高2,500億円、営業利益300億円をめざす現行の中長期経営計画「MLMAP2020」に対して、早い段階で達成水準に近づくことができました。
今後、さらに加速度を増して変化する外部環境にスピーディに対応し、さらなる事業成長と企業価値向上を実現するため、当社は「ONE STAGE AHEAD」をスローガンに据えた中長期経営計画「MLMAP2023」を策定し、新たなスタートを切る決断をしました。3つの重点施策の実現を通じて、2023年に売上高3,000億円、営業利益400億円の達成をめざします。
メガトレンドをリードする3フィールドに、コア技術を活用した分析・計測ソリューションを展開
当社が5つの事業部門でグローバルに保有する技術、営業チャネル、生産拠点、顧客ネットワークを有機的に組み合わせ、お客様のニーズに応える独自の分析・計測ソリューションを提供します。当社の強みである「はかる」技術を通じて、メガトレンドをリードする3フィールドにおいて、イノベーションを加速させる企業体への変革をめざします。
【3フィールドにおける主な施策】
Energy / Environment
Materials / Semiconductor
Bio / Healthcare
そして、当社の創業技術を有する科学事業においては、3フィールドにおいて各事業のリソースと連携しながらシナジーを最大化させ、「技術のHORIBA」をリードする役割を果たします。
製品導入からリプレイスまで、全方位でお客様のコアビジネスをサポート
当社では、1,000を超える製品群の中からお客様に最適なソリューションパッケージを提供し、保守点検からリプレイスまでトータルにサポートするビジネスモデルを築いてきました。今後は、今まで見えなかった情報の定量化により、新たなアプローチからお客様の課題解決に貢献する、データマネジメントの領域にもビジネスを拡大します。製品の稼動データによる正確な機器管理により、顧客設備の効率運用をサポートすることに加え、計測データの解析により新しい価値の提供を実現し、機器販売と高付加価値なサポートの融合を実現します。「Always with You」をキーワードに、常にお客様に寄り添ったソリューションを提供していきます。
すべての事業活動推進の原動力となる「強い人財※2」を作る組織体制の強化
重点施策1、2で挙げた事業活動を推進していく原動力は人財にあります。これまで当社は、人財育成の面においても様々な施策に取り組んできました。ブラックジャックプロジェクト※3は、フロントライン、すなわち現場の最前線の情報を経営陣と共有するシステムとして機能し、当社の新しい企業文化として根付いてきました。今後は、成長著しいアジア地域でのアクティビティを強化し、全グループへのさらなる浸透を進め、経営目標を現場に繋げる活動を推進していきます。ダイバーシティ推進プロジェクトであるステンドグラスプロジェクト※4についても、グループ会社間での人財交流活性化を通じて、活動をさらに発展させています。ホリバリアン※5がより働きやすく、働き甲斐を感じられる職場環境を整備することで、多様な人財によるSuper Dream Teamを実現し、既存ビジネスの変革や新ビジネスの創出を加速します。
これらの企業文化を含めた資産価値の最大化を実現するために導入した経営指標、HORIBA Premium Valueを用いて、事業部門やグループ各社、そして当社グループ全体の資産効率の最適化に向けた活動を加速します。迅速な経営判断により機動的な資源投入を実現するだけでなく、利益拡大と継続投資双方のバランス成長を実現します。
ブラックジャックプロジェクト、ステンドグラスプロジェクトの詳細は、以下のページをご参照ください。
高い視点から目標を見定め、最速で実現する意思を表現しました。
<用語説明>
※1 MLMAP(Mid-Long Term Management Plan):当社では中長期経営計画を「MLMAP」として社内浸透させています。
※2 人財:当社では、従業員を大切な財産と考えて「人財」と表現しています。
※3 ブラックジャックプロジェクト:「従業員の意識と行動の変革」を目的として1997年に開始した当社独自の業務改善活動で、当初から専任組織を設置して活動の促進を図ってきました。経営者が最前線の現場(フロントライン)からの直接の情報を得る機会であるとともに、グローバルでの経験/知識を共有する大切な役割も担っており、Super Dream Team実現のための重要な活動のひとつです。
※4 ステンドグラスプロジェクト:「性別、年齢、国籍、障害などを乗り越えて多様な個性と才能が輝き、新たな価値を創造し続けることで強いHORIBAを実現する」をミッションに掲げたプロジェクトです。2014年開始。
※5 ホリバリアン:当社グループで働くすべての人を同じファミリーであると考え、ホリバリアンと呼んでいます。