宮下さん:公に出すための成分分析は、専門機関に依頼しますが、費用が1検体10万円ほどかかるうえに、結果が出るまで何日も待たなくてはいけません。水耕栽培は水に含まれているミネラル成分が重要なので、常時、値を測らねばならず、すぐに正確な結果がわかる測定器が必要でした。また、硝酸やカリウム、カルシウムなど養液の濃度も簡単に測りたかった。そこでLAQUAtwinで測ったところ、専門機関の分析結果と相関性の高い数値が出たので「これは使える!」と思いました。
HORIBA:日常の管理にLAQUAtwinをご活用いただいているのですね。
宮下さん:LAQUAtwinシリーズの、pH(ピーエイチ)、ナトリウムイオン、硝酸イオン、カリウムイオン、カルシウムイオンの計5種類を使用しています。養液を使う工程は4工程あり、毎日計測が必要。野菜が吸収する量は工程ごとに違うため、毎日養液の濃度を同じにすることがとても重要なんですよ。また、収穫したレタスそのものの栄養素の値も、毎日チェックしています。文科省の食品データーベースと比べ、当社で作るレタスには、骨や歯を形成するミネラルであるマグネシウムが3倍、カルシウムが1.3倍含まれています。今は、味覚を正常に維持したり皮膚や粘膜の健康維持を助ける亜鉛の含有量を多くするための工夫をしています。
HORIBA:そういった栄養素をレタスに入れようとすると、養液の成分管理が重要になってくる、ということですね?
宮下さん:はい。陽イオンと陰イオンなので、何かを少なくした分、何かを増やせるんです。カリウムイオンを減らすとマグネシウムイオンが増える、といった具合です。ナトリウムイオンは少ないほうがいいので、これを減らす研究もしています。