秤量法測定システムは、国際単位系(SI)の基本単位である 質量の単位:キログラム kg、時間の単位:秒 s から質量流量 kg/s → g/min に変換する一次標準器です。
秤量法測定システムを用いた校正、及び秤量法測定システムから連鎖的及び段階的に校正された標準器を用いた校正において、米国標準技術研究所の試験所認定プログラムよりISO/IEC 17025に基づく認定を取得し、世界トップレベルの校正測定能力を達成しました。(認定番号: NVLAP Lab Code 600160-0)
<ISO/IEC17025>
ISO9000シリーズと同様の品質マネジメントシステムの要求事項の他、校正実施に必要な技術管理(トレーサビリティ、校正設備、校正者の技術的能力)の要求事項が加わり、試験所認定審査では、品質システム審査に加え、試験に関連する校正者が十分な技術能力を備えているかを調査する技能試験も義務付けられています。
A:時間測定
GPS衛星から正確な時間を1秒ごとに取得することで、常に正確な時間測定ができる標準器を使用しています
B:質量測定
・6kgのなかの10gの減少量を1mgの分解能で測定します [有効数字 5桁を確保]
・質量測定時における浮力の影響を受けない事を目的に、真空チャンバー内で測定します
・配管の可撓性の影響を最小限にすることで、シリンダーと配管を接続した状態で連続して質量測定できる
・恒温室で計測することで質量測定の温度影響を最小限にする
・電子天秤を支える部分を独立基礎とすることにより外部振動の影響を最小限にする
C:流量に変換
・恒温室で計測することで被校正器の温度影響を最小限にする
・連続的に取得したデータをDeming法重み付き回帰分析を行うことにより、質量流量を求めている電子天秤が持つ1mgの分解能以上の測定結果を得られる
データの信頼性を定量的に表す指標で、「ばらつき」と「未知のかたより」をともに含む曖昧さを標準偏差として表したものです。測定量の真値の候補全体の拡がりを示します。不確かさの評価には、実験データから統計的に求めるタイプAと、実験に基づかない外部データから求めるタイプBとがあり、タイプAとタイプBを合成して報告します。
①タイプA:実験で以下のデータが得られたとした場合
実験データ:100.21 sccm, 100.01 sccm, 100.16 sccm, 100.25 sccm, 100.23 sccm
平均値 100.172 sccm 標準偏差 0.09654 sccm
「5個のデータの平均値」の標準偏差0.09654/√5=0.04317 sccm ← タイプAの標準不確かさ
②タイプB:外部の情報から求める 2例
1.校正時に使用する上位標準器の校正証明書に、拡張不確かさは0.20%(k=2)と記載されている場合、標準不確かさとしては 0.20%/k = 0.10% ← タイプBの標準不確かさ(標準器に起因)
2.計測システムの分解能が0.01%の場合、一様分布するとみることができる。 標準偏差に換算する
(0.01%の半分を√3で割る) と 0.01%/2√3=0.0029% ← タイプBの標準不確かさ (分解能に起因)