従来比1/3幅の半導体製造装置向けマスフローコントローラーを12月11日から開催のセミコンジャパンに出展

2019年12月11日


半導体の微細化に伴い複雑化するガス流量制御に対応
株式会社堀場エステックは、12月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催されるSEMICON Japan 2019※1において、超薄型マスフローコントローラー(以下MFC)「DZ-100」を出展します。半導体デバイスの微細化・高集積化にともない、半導体製造プロセスに使用するガス流量条件も複雑化しています。MFCが搭載されるガスボックスの大きさは限られており、複雑な流量条件を実現するためには搭載されるMFCの数を増やす事は困難です。超薄型MFC「DZ-100」は、堀場エステックの主力製品である差圧式MFC「D500」の高感度、広範囲の流量制御技術を継承しながらも、サイズ縮小に伴う製品性能の劣化を伴う事なく、1.125インチ(28.575mm)から、およそ従来比1/3にあたる10 mmへと幅を縮小、本体重量は70%減の230gとなるMFCです。来春に販売開始を予定しています。

※1 SEMICON Japan:12月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催されるエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会。半導体の前工程~後工程までの全工程から、 自動車やIoT機器といったSMARTアプリケーションまでを紹介

超薄型マスフローコントローラー「DZ-100」
 

開発の背景

MFCはエッチングや成膜など、半導体製造装置において、ガスを制御する重要な機器です。堀場エステックは、1980年に国産初のMFCを開発し半導体産業に参入しました。以来、ピエゾバルブ※2の採用、オールメタル仕様、入出力や内部信号のデジタル化など常に業界をリードするMFCを開発し、世界の半導体メーカーや半導体製造装置メーカーに提供しています。
近年、半導体の微細化・高集積化に伴い半導体プロセスは複雑化し、チャンバーに導入する多様なガス流量条件が必須になっています。より多様なガス流量条件を実現するためには、チャンバー1台あたりに搭載するMFCの台数を増やす事が望まれますが、半導体製造装置のチャンバー周辺は、各種制御・計測機器が多数接続されており、MFCが収納されるガスボックスの大きさは限られています。当社は半導体業界のニーズに答えるため、現在、MFCに多く採用されている1.125インチ幅(28.575mm)の、およそ1/3にあたる10 mm幅のMFC「DZ-100」を開発しました。MFCが薄型になれば、ガスボックスに搭載出来るMFC台数を増やせる他、ガスボックスが小型化できれば、よりチャンバー近くに設置する事ができ、ガス置換速度が向上することで、精密なガス制御が可能になります。これまで当社はミニマルファブ※3用に薄型MFCを提供してきましたが、本製品は部品や内部構造を見直し、より量産に対応させたものです。

※2 ピエゾバルブ:
電圧印加で変位する圧電素子をアクチュエーターに使用したバルブ。アクチュエーター単体の推力が大きく、オールメタル構造化に貢献

※3 ミニマルファブ:
一般社団法人 ミニマルファブ推進機構が参画企業と共同で開発している少量多品種の半導体の量産に適した省スペース型の装置
   

製品の概要

「DZ-100」は、層流粘性流域差圧検出方式を採用している堀場エステックのMFC「D500」と同じCRITERIONTM(クライテリオン)技術を受け継ぎ、さまざまなガスの質量流量を高精度に制御します。「D500」と同じくマルチレンジ、マルチガス化に対応しており、顧客先で仕様変更を行う事が可能です。MFCの小型化がMFC内ガス流路の内部容積の低減に繋がり、適切な制御アルゴリズムにより、応答特性の改善も図られています。小型で処理能力の高いCPUを採用し、ピエゾ駆動回路と制御CPUをMFC本体側に設け電源部分は別の小型制御ボックス側に設けています。専用の小型コネクタ配線で接続し、最大4台までのMFCを制御する事が可能です。

  
<ご参考>
層流粘性流域差圧検出方式
MFCに導入される全てのガスがフローリストリクターと呼ばれる差圧を発生させる部品を通過し、その前後に発生する圧力差を質量流量に換算します。当社は層流を発生させるために構造を工夫した非直線特性を持つリストリクターを開発し、差圧が小さくなる低流量条件においても流量計測精度を向上させる事に成功しました。米国リノテクノロジーセンターに設置している「精密流量計測システム」により、圧力・温度・流量の相関を各々のプロセスガスに対して5万ポイント以上の計測を行い、一元化したデータベースをもちいて運用、ガス毎の最適補正係数を算出し、MFCにインストールしています。差圧式MFCでは、圧力センサー、温度センサーなどの情報から、質量流量を高速に演算し、制御バルブにフィードバックしています。