FPD(フラットパネルディスプレー)検査分野に参入

1997年5月20日


(株)堀場製作所(本社・京都市,社長・堀場 厚)は、液晶(LCD)やプラズマディスプレー(PDP)などフラットパネルディスプレー(FPD)の、線や点状のコントラストの欠陥(品位)を、従来比約50倍の高分解能で検出する、FPD品位検査装置を、ベンチャー企業のテクノス株式会社(奈良市,社長・八重津 真彬)との共同で開発に成功しました。
CRTに代わる薄型表示装置として市場が急拡大するFPDの検査分野へ、本機を手初めに参入します。なお、7月より受注を開始します。
壁掛けテレビ,液晶ビデオ,液晶プロジェクターといった、CRTに代わる新しい表示装置として、半導体業界で事業強化が進んでいる、FPD製品の製造工程の最終段階に、輝度(コントラスト)の均一性および欠陥といった品位検査があります。
画面の面積が大型化するに従い、均一性の面で歩留まりが低下する傾向にあり、品位検査の重要度は、今以上に大きくなると思われます。
一方、従来よりこれら品位検査は、CCDカメラを使用した自動検査機がありますが、①分解能が約50万画素程度で開発が進む高精細画素(100ミクロンオーダー)に対応できない②LCDのように視野角で輝度に差が生じるもの、特に面積が大型化するほど、中心と周辺部分で感度差が出る、といった問題で、目視による検査が主流なのが現状で、商品の大型化に伴い、品質管理部門の負荷が増大が予想されます。
今回開発した装置は、テクノス社が開発した独自の光学系と画像処理技術により、19インチ(A3サイズ)までの各種FPDの各種欠陥を、約3000万画素(従来比約50倍)の高分解能で、しかも約20秒と高速で、完全自動無人検査ができます。また、検出器のCCDを直線配列したラインセンサが、測定物に対して常に垂直方向にあるので、全面を高精度で検査できます。
目視検査に比べて、検査結果にバラツキが無く、また、最大19インチまでと、商品の大型化にも対応する、FPD市場での品質管理部門に不可欠な検査装置です。
なお、製品化は今秋を目処とし、輸出も含めて、LCDメーカーやPDPメーカーに販売する計画です。


〈 主 な 特 長 〉

  1. 検査視野角は全画素に対し垂直→全面にわたって精度が均一
  2. 従来のカメラ型に比べ約50倍の高解像度→商品の大型化に対応(最大19インチ)


〈 主 な 仕 様 〉
測定方式:密着型カラーCCDリニアイメージセンサによるスキャニング方式
測定対象:FPD(LCDやPDP) 最大19インチ(A3サイズ)まで対応
解 像 度:63.5μm×63.5μm
測定項目:11項目(欠陥,輝度ムラなど)

  1. ポジショニングチェック→表示内容のズレを検査
  2. ニュートンリング→リング状の輝度ムラ(シミ)
  3. 線欠陥→線状の欠陥
  4. 点欠陥→点状の欠陥
  5. ラビングスジ→斜め方向のブロック状の輝度ムラ
  6. 白点欠陥→白ヌキ状の欠陥
  7. ブロック分かれ→水平・垂直方向のブロック状の輝度ムラ
  8. 白スジ,黒スジ→スジ状の欠陥  
  9. シミ→かたまり状の輝度ムラ
  10. ムラ→広範囲の輝度ムラ
  11. シャドーイング,クロストーク→特定画面でのブロック状の輝度ムラ


測定時間:約20秒

〈 受注開始 〉 本年7月
〈予定価格〉 3,800万円(標準仕様)

〈 測定原理 〉
検査するFPDモジュール(測定物)を点灯させておき、密着型CCDラインセンサを水平方向にスキャンすることにより、測定物の全画素の点灯輝度を測定する。この測定された全輝度のデータを基に画像処理を行い、各種欠陥(品位)を判別する。検出された各種欠陥(品位)情報はパソコンによりデータ管理される。


参考資料

  • FPD=フラットパネルディスプレーの略称で、LCD(液晶)、PDP(プラズマデスプレー)等の総称。FPD分野では、薄型、軽量を最大の特長として、現在主流のCRTに置き換わるべく各種新製品が登場している。特に、LCDはPCの表示装置として市場が急拡大している。また近年、ビデオムービー、液晶プロジェクターやナビゲーションシステム等に市場拡大している。壁掛けテレビとして期待の大きいPDPも新製品発表が相次ぎ、今後の大画面表示装置として市場の急拡大が期待される。
    反面、従来のCRTに比べ、現在歩留まりが低く、最終検査工程で、各種欠陥を検査する需要が従来より高い。・品位=FPDの最終検査で、線欠陥,点欠陥,輝度ムラ,シミ等の欠陥の有無により製品の良否判定を行うが、その各種欠陥検査を品位検査と呼ぶ。
  • 密着型CCDラインセンサ=ビデオムービー等に使用されるセンサは平面型CCDであるが、センサの全素子が直線状に並び、FAX機のように走査(スキャン)しながら、被検査対象に密着して輝度を測定するセンサ。

    テクノス(株)概要
     設  立:1992年8月
     資 本 金:2500万円
     社 長:八重津 真彬
     住  所:奈良市法蓮町197-1
     社 員 数:22名
     売 上 高:2.3億円(1996年度実績)
     事業内容:
     液晶検査装置,画像処理ボードの開発
    ・製造および電子回路
    ・メカニズム,オリジナルソフトウエアの開発