MFCの流量が安定しない原因とは? 確認ポイントを解説

マスフローコントローラ(MFC)を使用していると、流量出力が上下したり、一定の周期で流量が変動したりすることがあります。
流量が安定しない原因は、MFC本体の異常だけとは限りません。周辺条件が影響している場合もあるため、原因を特定するには各項目を順番に確認することが重要です。
本記事では、MFCの流量が安定しない場合に考えられる主な原因と、確認すべきポイントを解説します。

目次

MFCの流量が安定しないとはどのような状況か

MFCの流量が安定しないとは、一定の流量を設定しているにもかかわらず、流量出力が一定に保たれず、時間とともに変動する状態を指します。流量出力が細かくふらつく場合もあれば、一定の周期で増減したり、特定の流量域でのみ変動したりする場合もあります。
ただし、流量出力が変動していることだけで、直ちにMFCの異常とは判断できません。変動幅や周期、発生する流量域、圧力や周辺機器の動作との関係などを確認し、どのような条件で症状が発生しているかを整理する必要があります。
なお、以下のような症状は、流量のふらつきとは分けて考える必要があります。

  • 設定流量まで到達しない
  • 設定値と実際の流量が一致しない
  • 立ち上がり時のオーバーシュートが大きい
  • ガスを流していない状態でも出力が出る
     

これらは原因や確認方法が異なるため、別のトラブルとして切り分けて確認します。

MFCの流量が安定しない主な原因

MFCの流量が安定しない場合は、まず圧力や設定信号、電源などの外部条件を確認し、問題がない場合にMFC内部の状態を確認します。主な原因として、以下が考えられます。

一次側・二次側の圧力が変動している

MFC入口側の供給圧力や出口側の圧力が変動すると、MFC内部の制御バルブが流量を一定に保とうとして開度を調整します。しかし、圧力変動が大きい場合や周期的に変化する場合には、制御が追従しきれず、流量出力がふらつくことがあります。
一次側の圧力変動は、ガス供給設備の圧力変化、レギュレータの不安定な動作、同じ供給源を使用する他ラインのガス消費などによって発生します。また、逆止弁や空圧弁が安定して動作していない場合や、空圧弁が完全に開いていない場合にも、MFCへ供給される圧力が変動する可能性があります。
二次側では、チャンバー圧力や真空ポンプの排気状態、圧力制御バルブ、下流側のバルブ動作などが影響します。流量の変動と圧力や周辺機器の動作が同じ周期で発生している場合は、圧力条件に起因している可能性があります。

設定信号が不安定になっている

MFCへ入力される設定信号が変動すると、MFCは変化した設定値に合わせて流量を制御するため、流量出力も変動します。
アナログ信号で制御している場合は、設定電圧や設定電流へのノイズ混入、配線やコネクタの接触不良、接地状態などが影響することがあります。また、PLCや表示設定器から送られる信号自体が変動しているケースや、装置側の制御プログラムによって設定値が頻繁に書き換えられているケースも考えられます。
流量出力だけでなく設定値も同じように変動している場合は、MFC本体よりも先に、設定信号や装置側の制御状態を確認する必要があります。

MFCへの電源電圧が安定していない

MFCへの電源電圧が低下したり変動したりすると、センサ、制御回路、制御バルブが正常に動作せず、流量制御が不安定になる場合があります。
主な要因としては、電源容量の不足、他の機器を同時に動作させた際の電圧低下、配線抵抗、コネクタの接触不良などが挙げられます。複数のMFCや周辺機器を同一電源で駆動している場合は、電源容量が十分であるかも確認が必要です。
設定信号が安定しており、圧力にも目立った変動がない場合は、MFCへ供給されている電源電圧が規定範囲内で安定しているかを確認します。

MFC内部に詰まりや汚染が生じている

MFC内部の流路や制御バルブに反応生成物、腐食生成物、異物などが付着すると、ガスの流れやバルブの動作が妨げられ、流量が不安定になることがあります。
特に制御バルブ周辺は流路が狭く、圧力が変化する場所であるため、詰まりが発生しやすい箇所です。バルブが滑らかに動作できなくなると、開度を細かく調整できず、流量が上下に変動する可能性があります。
詰まりや汚染は、パージ不足、配管への大気混入、他ラインからのガスの回り込み、低蒸気圧ガス等使用時の温調不足による液化、上流側からの異物混入などによって発生します。

制御基板や電子部品に異常がある

圧力、設定信号、電源などの外部条件に問題がなく、流量のふらつきが継続する場合は、MFC内部の制御基板や電子部品の異常が考えられます。
電子部品の特性変化や制御回路の不具合が生じると、センサ出力の処理や制御バルブへの指令が安定せず、流量出力が変動することがあります。長期間使用しているMFCでは、経年変化によって電子部品が影響を受ける可能性もあります。
MFC内部の異常は、使用者が外部から原因を特定することが難しいため、装置側の条件を確認しても改善しない場合は、メーカーによる点検や修理を検討します。

まとめ

MFCの流量が安定しない原因は、MFC本体だけでなく、一次側・二次側の圧力、設定信号、電源、周辺機器の動作など、さまざまな要因が考えられます。
原因を確認する際は、次の順序で切り分けることが重要です。

  1. 流量の変動幅や周期、発生条件を確認する
  2. 一次側・二次側の圧力を確認する
  3. 設定信号が安定しているか確認する
  4. MFCへの電源電圧を確認する
  5. レギュレータや空圧弁など周辺機器の動作を確認する
  6. 詰まりや汚染の可能性を確認する
  7. 改善しない場合はMFC本体の点検を検討する

原因が特定できない場合は、MFCの型式、使用条件、圧力、流量変動の状況などを整理したうえで、メーカーへ相談してください。

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