薬液濃度モニター「CS-700」
半導体プロセスの歩留まり向上や薬液使用量の削減に貢献
当社は、半導体プロセスの洗浄やエッチング工程で使用される薬液を、世界最多(*1)の8成分(当社既存機種比の2倍)同時に測定できる薬液濃度モニター「CS-700」を2016年1月に発売します。
半導体プロセスは、更なる高性能化/小型化/コストダウンにむけて、微細化/高集積化が進み、その製造プロセスも高度化しています。ウェットプロセスにおいては従来よりも多成分で構成される薬液の増加傾向にあり、各成分を高精度に測定することが求められています。薬液濃度モニター「CS-700」は、従来機と比べ波長範囲を約1.5倍に拡大、波長点数を約2.5倍増加させたことで、測定値のバラつき範囲を当社従来機比1/5と高精度な測定を実現します。次世代半導体プロセスの品質管理の強化や薬液管理の精度向上に貢献します。
薬液濃度モニターの事業展開
薬液濃度モニター「CSシリーズ」は、当社半導体事業の主力製品で、1994年に米国の展示会「セミコンウエスト」に初出展して以来、世界の半導体メーカーや半導体製造装置メーカーなどに提供しています。これまで光源ユニット、測定セル、分析ユニットが一体となった別置型(CS-100シリーズ)、光源ユニットと分析ユニットを分離したファイバー型(CS-600Fシリーズ)の2種類の機器を展開し、薬液の組成や測定レンジなどに応じた400種類以上のアプリケーションを提供してきました。その結果、本年3月に同シリーズの累計出荷台数10,000台を達成しました。
半導体製造工程は益々高度な製造技術を導入することで微細化/高集積化が進んでおり、濃度管理に求められる測定精度は年々厳しさを増しております。当社はこのたび薬液濃度モニターの最上位機種として「CS-700」をラインアップに加え厳密なプロセス制御に寄与すると共に、シリコン半導体向け市場シェア65%(当社独自調べ、2013年11月現在)を80%への拡大をめざします。
主な特長
- 8成分の同時測定
当社独自の分光システムによる紫外・近赤外の同時測定を行い、薬液中の各成分を高精度・高安定に測定します。また、従来機と比べ波長範囲を約1.4倍に拡張し、波長点数も2.6倍に増加させることで、薬液組成ごとの選択性を高め、多成分測定でも高安定な測定を提供します。 - 再現性精度を大幅に改善 測定値のバラつき範囲が1/5
液温影響を補正する機能を新たに搭載し、エッチング工程で使用される混酸溶液の測定時の再現性精度を高め、測定値のバラつきを当社従来比1/5に高精度化し、安定なプロセスコントロールを実現します。
開発者コメント
本製品は、多成分薬液の測定を従来よりも高精度に行いたいというお客様の声にお応えするために開発しました。従来機種からご評価いただいている点はそのままに、多成分・高精度測定を実現するため、光学系を一新し、最大8成分測定を実現しております。
主な仕様
寸法・質量 | (本体)217(W)×391(D)×213(H)mm ・8.4kg |
測定原理 | 吸収分光法 |
測定成分 | 硝酸、フッ化水素酸、リン酸、ヘキサフルオロケイ酸、水の混合液など |
薬液温度 | 20~30℃ |
(*1)世界最多:薬液濃度を同時に8成分測定可能な測定器は世界最多(2015年11月 当社独自調べ)