対象テーマは
「半導体材料表面コンタミネーションの高感度・非破壊計測」
当社は、社外対象の研究奨励賞「堀場雅夫賞」の第6回目となる本年度募集を4月1日から開始します。今回の対象テーマは「半導体材料表面コンタミネーションの高感度・非破壊計測」です。
本賞は、堀場製作所が育んできた原理、要素技術ならびにそれらの応用分野を中心に毎年テーマを定め、多数の研究者の皆様から応募をいただき、その中から毎年3名の研究者を表彰しているものです。
本年は、弊社の半導体計測事業に関連して、半導体材料表面コンタミネーションの高感度・非破壊計測技術をテーマとします。分析・計測技術発展の将来の担い手となる方々の積極的な応募を期待するとともに、画期的でユニークな分析・計測技術に「おもしろおかしく」従事されている研究者・技術者を支援することで、計測技術の発展の一助になればと願っています。
今回の募集対象について
シリコン半導体分野ではデバイス構造の微細化がいっそう進み、高速性、高性能化、小型化へ進化しています。また、液晶パネルに代表されるフラットパネルディスプレイ分野でも、人が画像を見て自然に美しく感じる画像表現となるように、各種技術が開発されています。これらの進化は、多岐にわたる材料開発とそれらを安定に造り上げる生産プロセス技術開発の賜物です。さらに、生産プロセスにおいてはプロセスに関わっている材料の表面状態を把握し制御すること、即ち、コンタミネーションコントロールが必須です。
今回は、半導体材料表面コンタミネーションの高感度・非破壊計測に関する技術として、汚染物質の高感度計測に関する科学技術ならびに高感度コンタミネーションコントロールへの応用に資する科学技術を募集対象とします。
応募要綱
募集対象 | 国内外の大学または公的試験研究機関に所属する方 |
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募集分野 | 「半導体材料表面コンタミネーションの高感度・非破壊計測」 |
応募期間 | 2009年4月1日~5月29日 |
審査方法 | 審査委員会が応募書類に基づき実績と将来性を審議し決定 |
発表 | 7月末予定 |
賞の内容 | 受賞者には、賞状及び副賞として助成金を支給 (副賞は、1件あたり金150万円を支給します。ただし本賞および副賞の授与は応募資格の継続が条件) |
表彰式 | 2009年10月19日(月) 京都大学芝蘭会館 (京都市左京区吉田牛の宮11-1) 受賞者による講演やポスターセッションを通して、研究内容を広く社会にアピールする予定 |
応募方法 | 応募書類など詳細は、本賞ホームページに掲載: |
応募・お問い合わせ先 | 〒601-8510 京都市南区吉祥院宮の東町2番地 |
審査委員会(敬称略、順不同) | |||
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名誉審査委員長 | 堀場 雅夫(株式会社 堀場製作所 最高顧問) | ||
審査委員長 | 堀場 厚(株式会社 堀場製作所 代表取締役会長兼社長) | ||
副審査委員長 | 合志 陽一(ごうし よういち); 筑波大学 監事、国際高等研究所 フェロー | ||
審査委員 | 澤田 嗣郎(さわだ つぐお); 辻 幸一(つじ こういち); 石田 英之(いしだ ひでゆき); Dr. George Thompson(ジョージ トンプソン); 原 清明(はら きよあき); 中 庸行(なか のぶゆき); |
〈参考資料〉
半導体材料表面コンタミネーションの高感度・非破壊計測と当社のかかわり
今回の募集対象である、「半導体材料表面コンタミネーションの高感度・非破壊計測」は、当社の半導体業界向けの事業展開のみならず、理科学分野における事業展開とも密接に関係するものです。半導体業界においては、デバイス構造の微細化や生産プロセスの複雑化がますます進み、それらの工程で使われる各種材料のより微量、微視的な汚染(コンタミネーション)排除が必要となっています。一方、近年のナノテクノロジーの進歩にともない、原子・分子レベルの分析技術の研究・開発が盛んに行われるようになっています。今回の募集では、これらのニーズとシーズの接点に着目し、先端科学技術をリードできる画期的な計測技術の発掘、実現を追求していきます。
コンタミネーションとは
半導体製造プロセスにおいて、製造物の最終性能に悪影響を及ぼす、混入物を指します。微粒子,金属イオン,無機分子,有機分子など意図しない混入により、リーク不良や絶縁耐圧不良など様々な問題を引き起こします。近年は製造するデバイスの微細化に伴い、管理しなければならない混入物のサイズと量も極微小化(ナノメートルオーダー)・極微量化(ppm、ppbオーダー)しています。