光透過法とは、サンプル中に、一方の光源から光を照射して、サンプルを通過することによって反対側の受光部に透過する光が減衰することを測定原理としています。
透過光から吸光度を求め、吸光度と濃度の関係式から濃度に変換します。
この時、光源の光量自体の変化を吸光度の測定から除外するためにサンプルを通らない経路で光量を測定し補正する方法が多く用いられます。また、サンプルが光を吸収しない状態(ゼロ状態)の時に光路上の変化により吸収されてしまう光を補正するためにゼロ校正が必要になります。
光透過法は、サンプルによって光の波長や前処理を変えることで多くの成分の測定に用いることが可能です。
有機性汚濁物質を測定するために用いるUV計では、253.7nmの波長の紫外線が有機物に吸収されることを利用し、この波長を使用して測定を行います。しかし、この光は有機物だけでなく光を遮る懸濁物によっても遮られて吸光度に影響を受けてしまいます。そのため懸濁物が混じったサンプル(濁水など)を測定する場合は、可視光である別の波長の吸光度も測定し補正に利用する場合があります。
その他にも、全窒素を測定する場合はサンプル中に試薬の添加や、紫外線で酸化分解の処理を行い測定を妨害する物質を除去したうえで、220nmの波長の吸光度を測定し全窒素濃度を求めます。
全りんやシリカを測定する場合は、サンプルに試薬を入れ反応させることで測定対象の濃度に応じた発色をさせ、その発色の強度を吸光度で測定することで目的の濃度を求めます。
このように、光透過法は技術を組み合わせることで様々な成分の測定に用いることが可能な測定方法となっています。
