分光分析

紫外光、可視光、近赤外線光を用いた分光分析技術

分光分析は、物質が特定の波長の光を吸収したり、放出したりする性質を利用します。物質が放出または吸収する「光」のパターンに分けて、物質に含まれる元素の種類や量を調べる分析方法です。物質を構成する分子固有の波長(スペクトル)を調べることで、元素の種類を特定し、光の強さから量を測定することができます。

発光分光分析 (OES)

エッチングや成膜工程でウェハ表面処理を行う場合、プラズマが多く使われています。発光分光分析は、これらの工程でプラズマから発光された光を分光し、その変化を計測することによって、処理中の反応状態をリアルタイムで知ることができます。また信号処理のアルゴリズムを組合せることで、エッチングの終点検知、成膜時の異常検知、チャンバー内のコンディション管理など各工程で広く使われています。

ラマン分光法

ラマン分光法とは、ラマン散乱光を用いて物質の評価を行う分光法です。光を物質に照射すると、光が物質と相互作用することで入射光と異なる波長を持つラマン散乱光と呼ばれる光がでてきます。このラマン散乱光を用いて、ウェハの応力、温度、電気特性、配向・結晶性などの様々な物性を調べることができます。

分光エリプソメトリー (膜厚測定)

分光エリプソメトリーは物質の表面で光が反射するときの偏光状態の変化を計測し、膜厚、光学定数、物質特性を求める技術です。多層膜構造のサンプルの各層を同時に測定できる技術で、半導体製造プロセスでの成膜、エッチング後の膜厚管理など幅広く使われています。

蛍光分光法

蛍光発光は、紫外線などの光エネルギーによって励起状態となった電子が基底状態に戻る際にエネルギーを光として放出する現象(フォトルミネッセンス)です。材料の電子特性を調べることができ、材料のバンド構造や不具合を検出する半導体解析で有効です。例えば、結晶性の高いSiCエピタキシャル膜の成膜は高性能化合物半導体には必須であり、成膜後の結晶性を非破壊かつ精密に分析することができます。PLマッピングによる非破壊の化合物半導体ウェハ欠陥の多角的な評価も可能です。

分光技術とは?

「分光ってイメージしにくい」、「分光装置を選ぶ時のポイントがわからない」などの課題をアニメーションを用いて解説します。 分光の原理から分光装置の各パーツの役割・ポイントなど、分光技術をわかりやすく身につけていただくミニ講座です。

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