2020年12月6日――
宇宙を旅する日本の小惑星探査機「はやぶさ2」から、小惑星「リュウグウ」で採取した砂や石などの試料を格納したカプセルが地球へと送り届けられました。小惑星の表面だけでなく、地下にある砂や石の採取に成功したのは世界でも初めてのことです。さまざまな人たちのおもいが詰まったカプセルの中に、太陽系や生命の起源の解明に繋がるヒントが秘められているかもしれません。
2021年6月には6つの国際チームにより「リュウグウ」の初期分析が開始され、HORIBAも化学分析チームの一員として分析に参画します。
宇宙の謎を解き明かすため、「はかる」技術で迫ります。


地球に帰還し、再突入カプセルを切り離した「はやぶさ2」のイメージ図 ©JAXA

What’s New

はやぶさ2プロジェクトとは

はやぶさ2プロジェクトの大きな目的は、人類未踏の小惑星「リュウグウ」から砂や石などを持ち帰り、太陽系や生命の起源に迫ることです。
「はやぶさ2」は、世界で初めて小惑星「イトカワ」の表面物質を持ち帰ることに成功した「はやぶさ」の後継機として開発されました。「はやぶさ2」は、「はやぶさ」の経験を踏まえて大幅に改良され、より確実なサンプルリターンを実現するとともに、小惑星の地下サンプルを採取するなど工学的にも新たな挑戦を行いました。
「はやぶさ2」がめざした「リュウグウ」はC型小惑星と呼ばれ、約46億年前に太陽系が誕生した頃の情報を持った天体であると考えられています。

2020年12月6日、「はやぶさ2」は、見事に「リュウグウ」の砂や石を地球へ持ち帰りました。それらを分析することで、地球上の水や生命のもととなる物質はどこから来たのか、太陽系はどのようにして生まれたのかといった謎が解き明かされるかもしれません。

詳しくはこちら:目的|ミッション|JAXA はやぶさ2プロジェクト


地球から「リュウグウ」へ旅立つ「はやぶさ2」イメージ図
©池下 章裕

「リュウグウ」に接近する「はやぶさ2」イメージ図
©池下 章裕

「リュウグウ」は地球と火星の間にある小惑星で、大きさは直径約900メートル、黒っぽい色をしており、太陽のまわりを約1年3か月かけて回っています。
もともと球体だと考えられていましたが、「はやぶさ2」の探査により実はコマ型の形状であり、岩の塊や直径約300メートルのくぼみがあることなどがわかりました。
「リュウグウ」は、「はやぶさ」が探査した「イトカワ」(S型小惑星)とは異なるC型小惑星であることから、「はやぶさ2」の目的地に選ばれました。C型小惑星は、約46億年前に太陽系が誕生した頃の水や炭素などの有機物が今でも残されている天体だと考えられており、「リュウグウ」を分析することは、太陽系や生命誕生の起源を知る重要な手がかりを得られると期待されています。
「リュウグウ」は1999年5月10日に米国のプロジェクトによって発見されました。当時1999 JU3という仮符号が付けられましたが、2015年9月に国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)による一般公募の中からおとぎ話の浦島太郎にちなんで「リュウグウ(Ryugu)」という名前がつけられました。浦島太郎は竜宮城へ行き乙姫様に出会い、玉手箱を持ち帰りました。「はやぶさ2」は「リュウグウ」からプロジェクトの採取目標目安であった100mgを大きく上回る、約5.4gの砂や石を持ち帰ることに成功しました。はたして玉手箱からは何が見つかるのでしょうか。

詳しくはこちら:小惑星リュウグウ | サイエンス | JAXA はやぶさ2プロジェクト


「リュウグウ」と「イトカワ」と惑星の軌道
©JAXA

約22kmの距離から見た「リュウグウ」
©JAXA、東大など

「はやぶさ2」は人類未踏のC型小惑星「リュウグウ」から試料を持ち帰るというミッションに成功しました。しかし、もう一つの重大ミッションである「C型小惑星の試料を分析し太陽系や生命の起源に迫る」のは、これからが本番。2021年6月に世界14か国、総勢269名の科学者による初期分析が開始されます。初期分析は6つの国際チーム(化学分析チーム、石の物質分析チーム、砂の物質分析チーム、揮発性成分分析チーム、固体有機物分析チーム、可溶性有機物分析チーム)によって約1年をかけて行われます。
HORIBAも所属する化学分析チームでは、アメリカやフランスなど世界6か国、約50名が協力し、「リュウグウ」の化学的な特徴を明らかにします。
蛍光X線分析装置や同位体顕微鏡などを用いて、「リュウグウ」の試料がどういった元素でどのような比率で構成されているか、どのような環境で形成されたのか、といったことに迫ります。これらの結果から、小惑星「リュウグウ」と、これまで地球に降り注いだ隕石の種類との関係を明らかにし、「リュウグウ」の起源と成因を探ります。

※ 同位体顕微鏡:物質中の微細な同位体(原子番号が同じで質量数の異なる原子)の数量や質量などを観察できる顕微鏡。


「リュウグウ」から採取された試料
©JAXA

試料の分析に用いる蛍光X線分析装置

HORIBAの役割 ~「リュウグウ」試料の分析~

化学分析チームの第一走者として高精度な非破壊・非接触分析を
HORIBAが所属する化学分析チームでは、初期分析の開始に向けて、世界中の分析のスペシャリスト約50名がさまざまな準備を進めています。この化学分析チームで最初に取り組むのが、HORIBAの蛍光X線分析装置とラマン分光分析装置を用いた非破壊・非接触で行う分析です。
試料に含まれる元素の種類や量、化学的な性質といった試料の基本的な情報を明らかにし、試料を汚染することなく次の分析へと確実にバトンを繋ぐこと。これがHORIBAのミッションです。

スペシャルインタビュー

宇宙とHORIBA

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TOPICS

01

小惑星「リュウグウ」試料の初期分析を開始!

2021年6月24日、化学分析チームがリュウグウから採取した試料の分析を本格的に開始することに伴い、堀場テクノサービス(京都市)で分析開始式を執り行いました。チームリーダーである北海道大学 教授の圦本氏は、「初期分析は我々人類の存在理由の解明に向けた最初のデータを得ることであり、さらなる科学の発展に役立ててもらうことがミッション」と初期分析の意義や化学分析チームの役割について語りました。

リュウグウから採取した試料の分析には太陽系と生命の起源や進化の謎に迫ることが期待されています。堀場テクノサービス分析技術本部Analytical Technology Department部長の沼田は、「英知を集めて採取されたサンプルの分析を担うことは、大変光栄であり、責任も感じている。人類が初めて測定する情報に触れられるのが楽しみだ」と意気込みを語りました。

化学分析チームは大学、研究機関、企業から総勢約50名で構成されます。HORIBAが測定する試料は約30mg。7月上旬まで分析を行い、その後東京工業大学や北海道大学のチーム員へとバトンを繋ぎます。


「化学分析チーム 分析開始式」にて、化学分析チームメンバーが試料の入ったケースをもって


蛍光X線分析装置でリュウグウ試料の元素の種類や量を分析

02

ファイト イッパーツ!

HORIBAでは「リュウグウ」試料の分析が行われています。分析に使用する試料は約30mg。ごく微量な試料を分析するためには技術力だけではなく、集中力、そして忍耐力が求められます。私たちに割り当てられた限られた時間の中でより精度の高い分析をめざして取り組む中、大正製薬株式会社様より、宇宙開発応援活動「リポD SPACE PROJECT」の一環で、リポビタンDの差し入れをいただきました。

2010年、宇宙の旅から帰還し、世界を感動させた小惑星探査機「はやぶさ」。大正製薬様は、リポビタンDを通じて「はやぶさ」プロジェクトチーム、そして、「はやぶさ2」プロジェクトチームを応援されています。 大正製薬様はじめ、皆さまの応援を力に「ファイト イッパーツ!」。

HORIBAの役割を果たし、次の初期分析メンバーへとバトンを繋ぎます。

関連情報:リポD SPACE PROJECT きっかけのストーリー


化学分析チームの 東京理科大学教授 由井氏(一列目中央左)、堀場テクノサービス 分析技術本部 本部長 駒谷(一列目中央)、東京工業大学教授 横山氏(一列目中央右)とHORIBAのリュウグウの試料分析担当者や製品開発担当者


リポビタンD 指定医薬部外品 疲労回復、集中力の維持・改善