学術資料

抗凝固剤の適切な選択

山陽動物医療センター

院長 下田 哲也先生

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血液検査においては、通常、抗凝固剤が使用されます。ヘパリン、クエン酸塩、EDTA塩などが抗凝固剤として一般的で、検査の目的により使い分けます。

血液塗抹標本を作製する場合、抗凝固剤を含んでいない血液で、採血後直ちに作製することが理想ですが、直ちに作製できない場合には、EDTA塩を使用することが推奨されています。

血球計数装置による測定やクームス試験には、EDTA塩が最も推奨されます。EDTA塩はカルシウムをキレート化する抗凝固剤で、血小板の凝集を阻止できるため血球計数装置に適しています。また、血液塗抹標本を作製する際の染色にも影響しません。採血量が適切なEDTA添加量との対比よりも少ない場合、血球の収縮、変形がおこり、PCV(Hct)、RBC、MCVなど血球計数装置の測定値に異常をきたすことがあります。また塗抹標本でも形態に異常がみられることがあります。

検査は、採血後4時間以内に実施します。採血後直ちに検査を実施しない場合には、冷蔵保存し、検査時には少なくとも常温まで加温することが望ましいです。血小板は時間の経過に影響されやすく、抗凝固剤を用いても凝集するため、採血後4時間以上経過したサンプルの測定結果は信用できなくなります。

クエン酸塩もEDTA塩同様、カルシウムをキレート化する抗凝固剤で、通常、凝固系の検査に用いられます。クエン酸塩は血液9の割合に対し3.13%の溶液1で使用するため血液の希釈がおこります。そのため、この抗凝固剤は血球計数には適しません。

ヘパリンは抗トロンビン作用により凝固を阻止する薬剤で、血液化学検査や免疫学的検査に利用されます。しかし、血液検査においては血小板の凝集を阻止できないことや、塗抹標本の染色性や血球形態に異常が生じるため推奨されません。

施設インフォメーション
山陽動物医療センター 施設
病院名
山陽動物医療センター
住所
岡山県赤磐市河本357-1
TEL
086-955-1543

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