高校生向け夏のオープンラボを開催

はかるとわかる!くらしの不思議を光で解き明かそう

「見た目は同じでも、中身にはどのような違いがあるのだろう」。

身近な食品や日用品を分析装置で測定し、目で見るだけではわからない特徴を探る「HORIBA高校生向け夏のオープンラボ」を、2026年7月29日にHORIBA東京オフィスで開催しました。

株式会社堀場テクノサービスが運営するAnalytical Solution Plazaの開設10周年とHORIBAグループ東京オフィスの改装を記念して企画された今回のイベントには、高校生12名が参加しました。

オリエンテーションのようす

東京ラボ開設10周年の節目に、科学のおもしろさを次世代へ

堀場テクノサービスが運営する分析ラボ「Analytical Solution Plaza(ASP)」は、今年で開設10周年を迎えます。これまでラボを支えてくださった科学に関わる皆さまへの感謝の思いを込めるとともに、ASPが大切にしてきた科学のおもしろさを高校生に伝えたいという思いから、今回のイベントを企画しました。

高校時代は、将来の理系・文系の進路を考える時期にあります。実験や社員との交流を通じて、科学のおもしろさを感じてもらうだけでなく、分析技術や研究職など、理系分野の仕事を身近に感じてもらうこともイベントの目的の一つでした。

“光”を使って、身近なものを測る

HORIBAの理化学機器には、電磁波、すなわち「光」を利用した分析装置が数多くあります。今回のイベントでは、普段から目にしている身近なものを試料に、粒子径分布測定装置、蛍光X線分析装置、ラマン分光測定装置を使った実機体験を行いました。
参加者は、粒子径、元素、分子構造などの違いを測定データから読み取り、見た目だけではわからない試料の特徴や正体を探りました。

「はかるとわかる!くらしの不思議を光で解き明かそう」をテーマに、参加者は「食品・ヘルスケア」「地球環境」「コスメ&アクセサリー」の3つのテーマから一つを選択。テーマごとに分かれ、HORIBAの分析装置を使った実験やグループワークに取り組みました。

食品・ヘルスケア ―― 身近な食品を「はかる」

「食品・ヘルスケア」を選んだグループでは、毎日の生活で口にしている食品が、どのような分析を経て品質管理されているのかを考えました。

コーヒー豆をひいた粉の粒の大きさが味にどのように影響するのか、調味料に含まれる成分の特徴、牛乳に含まれる栄養成分など、普段口にする食品を題材に実験を行いました。身近な食品も測定することで、見た目だけではわからないさまざまな特徴が見えてくることを感じてもらえるよう工夫しました。

参加者は、HORIBAの分析装置によって短時間でデータが得られ、目視では判別しにくい試料の状態を比較できることに驚いていました。

 

地球環境 ―― 身近なものの「その後」を考える

「地球環境」を選んだグループでは、身近な生活用品が使われた後にどうなるのか、また、その物質が使われた後、環境の中でどのように変化するのかを考えました。

専門用語をできるだけ使わず、短く覚えやすい言葉で説明するとともに、測定結果を先に見せるのではなく、参加者自身に予想してもらってからデータで答え合わせをする進め方を取り入れました。

なかでも盛り上がったのは、ティッシュペーパーを水に入れたときの変化を確かめる実験です。参加者がイメージしていた「水に溶ける」とは異なる様子が見られ、驚いた表情を浮かべる場面がありました。

  

コスメ&アクセサリー ―― 予想と測定結果を比較する

「コスメ&アクセサリー」を選んだグループでは、高校生にとっても身近なコスメやアクセサリーを題材に、見た目や印象だけではわからない物質の違いを調べました。

アクセサリーの測定では、金メッキが施されたニッケル・銅製の指輪を用いました。多くの参加者が「これが最も高価なのでは」と予想しましたが、蛍光X線分析装置による測定結果が表示されると、「予想外れちゃった」と驚く声が上がりました。予想と実際の結果を比較することで、見た目だけではわからない物質の違いを実感したようです。

また、化粧水を使った実験では、ブラウン運動とチンダル現象を実際に観察しました。ブラウン運動とは、液体中の微粒子が、周囲の分子に不規則に衝突されてランダムに動く現象です。チンダル現象とは、液体中の微粒子が光を散乱し、光の通り道が見える現象を指します。

理科の授業で聞いたことのある現象を自分の目で確かめた瞬間、参加者から歓声が上がる場面もありました。

  

「予想する」「測る」「伝える」で、主体的な学びに

今回のイベントでは、参加者が受け身にならず、楽しみながら実験に参加できるよう、参加型の進行を意識しました。

実験ノートには、観察したことや予想、測定結果を書き込む欄を用意。測定前に自分の考えをまとめ、グループで意見を交換してから実際のデータを確認することで、分析の過程をより深く理解できるよう工夫しました。

実験の後には、テーマごとのチームで体験した内容や気づきをポスターにまとめ、発表も行いました。ポスター作成の時間には、実験で何が楽しかったのか、普段学校で学んでいる化学の内容がどのように関係していたのかを振り返りながら、活発に意見を交わす様子が見られました。

  

社員との交流を通じて、理系の仕事を身近に

実験や発表に加えて、社員との交流会も開催しました。

理系・文系の進路選択や研究職の仕事、日常的に「はかる」ことを仕事にするおもしろさなど、さまざまな話題が交わされました。はじめは緊張していた参加者も、会話が進むにつれて徐々に打ち解け、積極的に質問したり、自分の考えを話したりする姿が見られました。

特に、参加者にとって初めて触れる原理だったラマン分光は、大きな印象を残したようです。文系の参加者からも理系の仕事への関心が高まったという声があり、科学や分析技術が幅広い分野につながっていることを感じてもらう機会となりました。

「はかる」ことで広がる、科学の可能性

イベント終了後、参加者からは次のような感想が寄せられました。

「目では分からないことまで測定できる機械がすごい」
「化学のおもしろさを感じた」
「測定・化学を通して多様な分野に関われるのが魅力的だと感じた」

3つのテーマから自分の興味に合う一つを選び、身近な試料を予想し、測定し、結果を考察する。今回のオープンラボは、科学を知識として学ぶだけでなく、自ら体験することで、そのおもしろさを感じてもらう場となりました。

科学のおもしろさを伝えることは、将来の理系人材の育成にもつながります。今回の経験が、高校生にとって科学や分析技術、そして理系分野の仕事をめざすきっかけになれば幸いです。HORIBAはこれからも、自社の技術や製品を活用した教育活動を通じて、次世代の学びを支えていきます。

関連サイト:

Analytical Solution Plaza - HORIBA

【粒度分布】レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置 Partica LA-960シリーズ - HORIBA

MESA-50 卓上型蛍光X線分析装置 - HORIBA

ラマン分光 - HORIBA