
データ取り込みソフトウェア
GATELINK
動物病院様向けに検査結果をPC端末に取込み可能です。プリントアウトも可能。 ※オプション機能です。
静岡県
使用機器:動物用小型電極式グルコース分析装置
アントセンス デュオVET
私の父親は獣医師で、この動物病院を31年前に静岡県で開業しました。開業当初は小動物と大動物を往診で回っており、子供の頃、牛の往診に行くのに、一緒に連れていってもらっていたことを覚えています。父からは獣医師になりなさいなどは一言も言われませんでしたが、高校の時に大学進学を考えるときに、獣医師が面白そうだなあと思ったのが獣医師になろうと思ったきっかけです。獣医師の仕事の内容は様々ありますが、獣医大学に入った当初から、小さい頃から見ていた小動物の臨床をやろうと考えていました。
ちょうど私が大学にいた時代は、様々な専門科目が出始めた時代でした。眼科学があると知ったのもちょうどその頃で、入った研究室で眼科の研究をしているうちに面白いと感じるようになったのがきっかけです。さらに眼科を研究するため大学院に進学し 、更に眼科診療を行っていきたいと考え今に至ります。
2002 年に就職した時から、週に2日ほど眼科の診察を設けており、その後は徐々に眼科診療が増え、数年してから全て眼科の診療のみとなりました。私が会社に入社する前から、父は先駆けて各専門の診療を取り入れており、そこに眼科として入れたので、仕事はやりやすかったです。
眼科の診察だけにしようと思った経緯については、ある程度までは一般診療を全部対応できるようになりましたが、一方で他の科の診察は眼科レベルまではできないと感じました。そのため、他の診療科を眼科と同じように診ることができないなら、私はその患者さんを診てはいけないと感じるようになりました。また、眼科だけに専念することで、より技術的にも知識的に伸ばせると考え、2007年より、眼科だけにしました。現在は、当院で週5回勤務しながら、眼科の診察を行っています。
眼科の診療をしている仲間や、第一線で活躍されている先生と勉強会や症例検討をおこない、自身の知識や技術を習得していく中で、後輩にも伝えたい、また眼科診療を専門とする獣医師は国内では少なく、より多くの動物たちの眼疾患を治すために、正しい眼科診療を広めていきたいと考え、学会活動や学術活動をおこなうようになりました。
当院での専門診療は、30年ほど前の父の代からずっとおこなっておりました。父は、当時知り合いなどを通じて、「こういったことをしたいので、働いてくれませんか?」と声をかけて、始めたそうです。現在は、以前よりも多くの専門科が増えましたので、私の知り合いにお声がけさせていただき診療や院内セミナーをおこなっていただいております。
私はこの会社の代表取締役なので、眼科の診察をしながら、スタッフ全員の教育、地域の眼科以外の診察も行う必要があります。院内で月に数回勉強会をしたり、私が病院外に行ったときに知り合った専門の先生方に、月1で勉強会をしていただいたりと、病院全体のジェネラルな部分を伸ばしていこうとしています。また、スタッフ同士が相談をしやすい雰囲気作りには非常に重きを置いています。
毎月1回、ご家族向けにパルニュースという動物の病気に関する情報発信をしております。パルニュースの発行は、父の頃から20年くらいずっと獣医師の皆で続けています。今はウェブで閲覧になりましたが、以前は毎月印刷して、ご家族に郵送していました。動物についての正しい知識や、気を付けないといけないことを啓蒙していくことが1 番の目的です。病院側の話になると、定期的に文章を書くことによって、獣医師が診察の中で、ご家族の方にうまく伝えられるようになる、という教育の面もあります。おそらく大変だと思うのですが、テーマ等は自分で選んで、その時の旬な話題や今これに気をつけた方がいいことなどについて担当者が文面を書きます。最終の文面は、外部の方と私が校正をして、Webサイトに掲載しています。
裾野の病院で約1,800件/月、沼津の病院で約530件/月 診察を行っております。裾野病院が最初にでき、その後沼津に病院ができた後に、裾野の病院がセンター病院として拡大、移転しました。手術と入院は全て裾野の病院で行っています。
来院数は犬が多いです。ただ、犬、猫の比率でいうと、昔から猫の割合が3割くらいあり、多い方だと思います。
眼科診察は、私ともう 1 人の獣医師の2名でおこなっており、年間およそ5,400件 診ています 。手術は年間120件ほどで、他の施設での手術を入れると200件以上になります。
そうですね。やはり始めた頃の最初 10 年ぐらいと比較すると白内障の手術がすごく増えました。手術が必要な疾患に対して、知識、機器の性能および技術が向上し、治癒率が上がっているからだと思います。
血糖検査は月に約100例測定します。糖尿病だけでなくスクリーニング検査、健康診断などでも測定するため血糖の検査は多いです。眼科診療では、糖尿病性の白内障の手術をする際に多く測定します。入院中は、持続血糖測定器で間質液中のグルコース値をモニタリングしていますが、定期的に確認のため血糖値も測定して、値に差がないかどうかの確認をこまめにしています。
エマージェンシーの時や、結果を早く知りたいときに単項目で採血量が少なくてすみ、すぐに測定できるところが利点だと思います。さらに、作業が簡易で使いやすく、他の項目とセットではないので費用をかけずに測定できることもありがたいです。
静岡県は、やっぱり生まれ育った場所なので、地域の人たちに必要だと思われるようになりたいです。
私は「動物を治す」ことしか考えていないので、「みんなで常に勉強して、様々な病気を治せるようにしていきたい」、それが達成できれば良いと思っています。私は幸い多くの病院で仕事をさせていただいております。そのため、多くの病院から、病気の診断や治療、検査機器、治療に関連する機器など、学ばせていただくことができるので、それをスタッフに還元するようにしています。ありがたいことであると常に思っています。
会社での経営で一番大事にしていることは、チーム一丸でやっていくことです。私自身、分からなかったり、悩んだりすることがあるときは、スタッフにすぐに相談します。他のスタッフたちもお互いに色々と相談しあっています。当院は20代から60 代までスタッフがそろっており、10年以上勤務している者が半数以上です。子育てをしながら働いておられるスタッフも多くいます。世の中には色々な会社がありますが、皆が長く働きやすい会社を地域に残したいと私は強く思っております。
病院名 | パル動物病院 |
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住所 | 静岡県裾野市伊豆島田843-5 |
TEL | 055-993-3135 |
診療動物 | 犬、猫、エキゾチックアニマル |
ウェブサイト | http://pal-ah.jp/ |
製造販売届出番号 :
3動薬第2730号
一般医療機器
全血1滴(5~20μL)で約45秒後に結果を表示。10~999mg/dLのワイドレンジで血漿グルコース値を表示します。
病院名である「パル」という名前の由来は、「みんなの」という意味で、スタッフや地域の皆さんと協力しながら、会社としてやっていこう、という意味が込められているそうです。「パル」という名前の由来通り、病院のスタッフの方々がお互いに協力しながら患者さんを治していくということを実現されていると感じました。また、病院経営や治療を通してスタッフの方々や地域の方々に貢献していきたいという先生の強い思いが印象的でした。
(2024年2月取材)
※掲載している情報は取材時点のもので、現在とは異なる場合がございます。