ゼファー動物病院

導入施設の紹介

東京都

ゼファー動物病院

グループ統括院長 上條 圭司先生

使用機器:動物用小型電極式グルコース分析装置
     アントセンス デュオVET

フィラリア検査の時期は、多い日で40頭以上の検査を行っており、生化学検査に十分な時間をかけられないこともあります。その点、アントセンス デュオVETは少量の血液(1滴)で簡便に測定でき、時間もかからないため、スクリーニングとして活用できて助かっています。

まずは、先生のご経歴と開業当時のお話をお伺いします。

複数の専門科を設けてこられた経緯を教えてください。


麻布大学(当時:麻布獣医科大学)卒業後、横浜の動物病院で3年間研修を積み、1990年に八王子市で開業しました。当初は「上條犬猫病院」でしたが、移転を機に「ゼファー動物病院」へ改称し、現在に至ります。
ちょうど開業した時期は世間がバブル期で、大型犬ブームでもありました。ペット業界が急速に発展し、室内飼育の普及やペットフード、ワクチン接種などを通じて、飼育環境や飼い主さんの意識も大きく変わってきたと感じています。そうした時代の流れの中で、動物病院も「一つの病院で全てを診る」体制から、外科・皮膚科・腫瘍科・麻酔科などをそれぞれ専門とする獣医師が担当する分業化へと進んでいきました。さらに、鳥やウサギ、フェレット、ハムスターなどのエキゾチック動物を専門に診る獣医師も増えてきました。
私が最初に勤めた病院は手術が多く、師事していた先生も外科で著名な方でした。その影響もあり、私自身は外科・手術を中心に取り組み、ほかの分野は優秀な先生方に任せる体制をつくりたいという思いがありました。また、エコーを専門にしたい先生なども出てきたため、専門医制度が十分に確立される以前から、腫瘍科・皮膚科・リハビリ科・循環器科などの専門科を設け、必要な医療機器も病院側で整備するなど、若い先生が力を発揮できる環境づくりを進めてきました。結果として、それが自然に分業化・専門化につながったのだと思います。

本院以外に分院を開設されていますが、どのような目的からでしょうか?


あいはら犬猫病院(分院)ではCTスキャンを設置し、専門の先生にも来ていただきながら、画像診断を中心に行っています。これまで大学まで行かなければ受けにくかったCT検査や画像診断を、この地域で受けられるようにしたいと考えたのが大きな目的です。あわせて、地域の若い先生が気軽に学べる場として、CTのない近隣病院にも利用していただける拠点にしたいという思いもありました。

二次診療として依頼される件数は多いのでしょうか?


腫瘍科や循環器科は、二次診療としてご依頼いただくケースが多いです。また、骨折・脱臼などの外科領域でも、一次病院では対応が難しい症例を、周囲の先生方からのご紹介で対応することがよくあります。犬・猫以外の動物については、基本的には専門の先生をご紹介することが多くなりました。ただ最近では、たとえば「ヤギの診察はしているが骨折治療は経験がない」という理由で外科治療をご依頼いただいたこともあります。ウサギの顎骨骨折の治療では、ウサギ専門の先生が麻酔を担当し、私が外科治療を担当したこともありました。「個々の病院で完結させる」というより、「獣医師全体で連携してチームを作り、地域の動物にとってベストな治療を考える」ことが大切だと改めて感じています。

ここからは、病院の診察状況・血糖検査について伺います。

月に何件くらい来院されますか?また、犬、猫の比率はどれくらいでしょうか?


1日平均60~70件になりますので、月約2000件になるかと思います。 来院比率は犬:猫=6:4~7:3くらいです。大型犬をよく診ていることもあり、犬の飼い主さんが多く来院される印象があります。
現在は小型犬の来院が多い一方で、大型犬を治療できる施設は多くないため、他院からの紹介で大型犬の治療や手術依頼を受けることも少なくありません。私としては手術の依頼や大型犬の紹介はやりがいがあり、喜んで受け入れています。そのため日頃から大型犬の扱いに慣れている看護師が、他院のサポートに入ることもあり、重宝されることもあります。地域内では、良い意味でライバル関係を保ちつつ、急病対応では近隣病院を紹介するなど連携ができていると感じています。

どのような場合に血糖測定されるのでしょうか?


当院では採血を行った際は、原則として血糖値を測定しています。必須項目の一つだと考えています。また、糖尿病の管理で1日に何回も採血することがあり、その際の簡易的な血糖値測定にも大変重宝しています。
特にフィラリア検査の時期は、多い日で40頭以上検査を行うため、その都度血糖値を測定します。繁忙期は生化学検査に十分な時間をかけにくいこともあり、アントセンス デュオVETであれば少量の血液(1滴)で簡便に測定でき、時間もかからないためスクリーニングとして使いやすいです。
以前はグルコースが測定できる試験紙をルーチンで使用していましたが、販売終了になったことをきっかけに、簡易的に測定できる血糖測定器を探しました。同じ検体で繰り返し測定しても結果が安定しており、生化学検査との相関も確認できたため採用に至りました。健康状態が良い子については、アントセンス デュオVETでの測定のみで十分だと感じることも多いです。

血糖値を経時的に確認することで、どのような判断に役立ちますか?


特に猫は採血時に興奮して血糖値が高く出ることがあるため、一時的な上昇なのか、以前から高血糖傾向(糖尿病の可能性)があるのかを見分ける判断材料にしています。血糖値が明らかに高い場合は尿検査も実施し、尿糖の有無などを確認したうえで、糖尿病かどうかを最終的に判断しています。

アントセンスⅢ VETからアントセンス デュオVETに更新していただき違いはありますか?


前機種と比較し、測定結果の履歴が簡単に表示できるため、連続して多数測定する際に大変便利になりました。特にデータを再印刷できるので、別の患者さんの結果と混ざることなく管理できるようになったと思います。

一般診療だけでなく、診療科も多く、専門分野の先生もおられるので、教育の面でも充実・注力されていると思います。今後の病院の目標をお聞かせください。


これからは、自分たちの経験を若い先生に教えていかなければと思っています。 特に手術に関しては自分の専門分野でもあるため、これまでほぼ自分一人で行ってきましたが、徐々に任せるようになってきました。また、当院が動物病院グループ(VCA Japan)に入ったことで、グループ全体で毎年新人の先生が採用されています。グループには新人の先生を対象に、同期を集めた教育プログラムがあり、私の施設では避妊・去勢手術を教えています。毎週2名ずつ、麻酔担当と手術担当に分け、午前と午後で交代しながら麻酔と手術を経験していただいています。

動物病院グループに入られ、大きなメリットと感じるところはどこでしょうか?


これまで個人で全て行っていたこと(採用、教育、経営)をグループ全体で支えてもらえるようになり、大変助かっています。中でも、十分な教育を受けられることは大きなメリットだと思います。 まず基礎をしっかり学び、そこから専門を深めていく。グループだからこそ用意できる教育プログラムが揃っていると感じます。 また、グループの先生方はそれぞれの得意分野を教えることができ、新人の先生は高度な技術まで丁寧に学べます。双方にメリットがある仕組みだと思います。

今後、開業も考えておられる獣医師様に、経験の多い先生から一言お願いいたします。


ペットが減っている、施設が飽和しているとも聞きますが、それでも開業したい先生にとっては、まだまだチャンスや場所はあると思います。ぜひ挑戦してほしいですね。開業には大きな夢があると思いますし、応援したいです。
一方で、私の周りでは開業願望よりも、専門分野で頑張りたい先生が増えてきているようにも感じます。そうした先生方が力を発揮できるよう、できる限り環境を整える役割も、今後果たしていきたいと思っています。 ただ、最初から専門分野を決めるのではなく、まずは2~3年、浅く広く臨床を経験して、一通り診られるようになったほうが良いと思います。その中で好きなこと、得意分野を見つけていくのが良いのではないでしょうか。続けていくうちに「面白い」と感じる分野は必ず見つかると思います。得意分野が見つかったら、それを伸ばしていくことが大事です。私自身、全てを教えられるわけではありませんので、専門の先生に来ていただき指導してもらえるのはとてもありがたいことですし、診療の現場で多くの経験を積み、飼い主さんからフィードバックをいただけるのも貴重です。こうした経験を通じてスキルを高めていくことが、病院運営をうまく回していく秘訣にもつながるのではないかと思います。

施設インフォメーション

病院名ゼファー動物病院
住所東京都八王子市並木町21-3
TEL042-667-2211
診療科目一般診療、腫瘍科、循環器科、皮膚科、リハビリテーション科、夜間診療
ウェブサイトhttp://www.zephyr-ah.jp/

製造販売届出番号 :
3動薬第2730号
一般医療機器

全血1滴(5~20μL)で約45秒後に結果を表示。10~999mg/dLのワイドレンジで血漿グルコース値を表示します。


編集後記

病院の2階にある待合室で、インタビューをさせていただきました。同じフロアでは、上條院長の愛犬2匹が元気よく出迎えてくれました。写真撮影の際、筋肉質な腕で愛犬をしっかり抱きかかえるお姿とは裏腹に、「若い獣医師のために、働きやすい環境を作ることが私の役目です」と柔らかな口調で語られたことが、とても印象に残っています。今後さらにスタッフが増え、さまざまな診療科が充実していく病院の姿が目に浮かびました。

(2022年11月取材)

※掲載している情報は取材時点のもので、現在とは異なる場合がございます。


関連リンク

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GATELINK

動物病院様向けに検査結果をPC端末に取込み可能です。プリントアウトも可能。 ※オプション機能です。

アントセンス デュオVET
 

イヌ・ネコの血漿中のグルコースを遠心分離することなく測定できる装置です。

動物用自動血球計数装置
LC-712

イヌ・ネコの血液検査の業務を軽減できる検査装置です。

※本製品は、MICROSEMI Corporationといかなる関係もありません。

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