白血球3分類+CRP測定装置の内科胃腸科における運用事例

福岡県

平田内科胃腸科クリニック

院長 平田 泰彦先生

使用機器:自動血球計数CRP測定装置 LC-767CRP
測定項目:CBC、CRP

感染症を診断する際はもちろん、経過観察にも有用です。受診後3、4日しても患者さんから症状が変わらないとの訴えがあった場合に再検査を行い、検査数値が改善していれば、患者さんの安心につながります。

1日のCBC、CRPの検体数はどのくらいですか?


CBC、CRPの検体数は、1日あたり10から15検体です。検査数値に基づいて説明すると、患者さんの理解が得やすく、満足度が上がります。患者さんからは「検査を多くされるけれど早く治るのでコスパが良い」と評判をいただいています。風邪の症状で薬だけを処方された患者さんが、当院を受診するケースも多いです。

LC-767CRPを導入されてから、何が変わりましたか?


LC-767CRPを操作している看護師さん達からは、前機種と比較して大きな故障がなくなり、ストレスが軽減されたと好評です。

どのようなときに、CBC、CRPの検査をしますか?


膠原病の活動性を疑う際に、CBC、CRPの検査をします。例えば、関節が痛む場合などで、活動性を評価します。感染症を診断する際はもちろん、経過観察にも有用です。受診後3、4日しても患者さんから症状が変わらないとの訴えがあった場合に再検査を行い、検査数値が改善していれば、患者さんの安 心につながります。最初に投与するセフェム系薬剤の効果が無い場合には、キノロン系薬剤に切り替えることもあります。限局性の右上腹部痛を訴える場合に、CBC、CRPが上昇していれば胆嚢炎を疑い、エコー検査につなぐことが可能です。限局性の右下腹部痛を訴える場合に、CBC、CRPが上昇していれば虫垂炎を疑い、外科を紹介します。


やるべき検査をしないで疾患を見逃した場合、訴訟されるケースもありますので、CBCとCRP検査はそのためにも有効です。


CBC、CRPを測定して良かった症例を紹介して頂けますか?


感染性腸炎の場合に、カンピロバクター腸炎とウイルス性腸炎の鑑別は臨床症状だけでは難しいため、WBCとCRPが役に立ちます。WBCの増加は両者に共通していますが、CRPが3mg/dL以上であればカンピロバクター陽性である可能性が高く、CRPが3mg/dL未満であればウイルス性腸炎の可能性が高いです。また、カンピロバクターを疑う場合には便培養につなげることが可能です。軽度の咽頭痛の66歳女性で、WBC 14,100 /μL、CRP 5.2mg/dLの結果から、X線検査に進み、急性気管支炎と診断して、抗菌剤を投与しました。水様便で下血した37歳男性で、WBC 4,400 /μL、CRP 0.0mg/dL、Hb 13.6 g/dLの結果から、感染性腸炎とは考えられないため高次医療機関を紹介したところ、上行結腸癌と診断されました。微熱、関節痛の61歳男性で、WBC 8,800 /μL、CRP 3.2mg/dLなので、念のために胸部レントゲンを撮影すると、右下肺野に肺炎を認めました。COVID-19のPCRが陰性だったことから、市中肺炎と診断できました。

COVID-19の患者さんを診察されたことはありますか?その際に、CBCとCRPの結果は役に立ちますか?


はい、これまでにCOVID-19の診断をしたことがあります。CBCとCRPの特徴として、WBCは正常か低下の結果を示していますが、CRPは高値、低値といろいろな場合が存在します。37℃発熱の32歳男性で、WBC 3,700 /μL、CRP 0.4mg/dL、COVID-19のPCR陽性でした。39℃発熱の34歳男性で、WBC 5,100 /μL、CRP 2.3mg/dL、COVID-19のPCR陽性でした。38℃発熱の50歳女性で、WBC 5,500 /μL、CRP 0.8mg/dL、COVID-19のPCR陽性でした。37℃発熱、発疹の49歳男性で、WBC 5,600 /μL、CRP 9.1 mg/dL、COVID-19のPCR陽性でした。いずれの症例も、白血球数とリンパ球が低値を示していました。

【CBC】:(全血検査)赤血球・白血球・血小板等の血液中の有形成分の数と形態を検査。全身の容態を把握することができる。【CRP】:(C反応性蛋白)体内で炎症がおこっている時に、血液中に増加するタンパク質。感染症等の目安になる。

施設インフォメーション

施設名平田内科胃腸科クリニック
診察科目内科胃腸科
住所福岡市中央区鳥飼1丁目5番45号
電話092-725-6778
ウェブサイトhttps://hirataclinic.jp/index.html#id67/

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