
小児科における患者さまや、他の診療科の一部の患者さまには、採血による負担を少なくするため、微量採血※が必要な場合があります。微量採血の方法を紹介します。
※毛細管を使用した微量採血の場合、血小板、白血球の値が正しく測定できない場合があります。
ゴム球に毛細管を差し込みます。
毛細管の色のついた部分が奥に入るまで差し込んでください。
<注意>
毛細管をゴム球に差し込む際は、ガラス部分を破損に注意をしてください。
必要に応じて穿刺部位の加温やマッサージを行い、血液循環を促します。穿刺部位を消毒し、自然乾燥するまで待ちます。
<注意>
採血部位にアルコールが残っていると、穿刺箇所から出てくる血液が溶血したり、血液が皮膚表面に広がり正しく採取できないことがあります。
指頭部をランセットを用いて穿刺し、使用後は速やかに耐貫通性容器に廃棄します。
●Point●
指で圧迫して皮膚が張った状態で穿刺すると血液が得られやすくなります。
最初の一滴はガーゼで拭き取ります。
<注意>
血液が5㎜程度の球状になるように軽く押してください。
ゴム球の穴を押さえずに、血液採取部位に対してやや下向きに毛細管をセットし、毛細管現象を利用して検体を採取します。
<注意>
毛細管の2/3以上を目安に検体を採取してください。
検体はゴム球の穴をふさいで止めます。
●Point●
血液が十分に出ていれば、検体が凝固しにくく、採取が容易になります。
ゴム球の穴をおさえた状態で、ゴム球をつまんだり、離したりして、微量容器内の検体をしっかり混和して下さい。
(目安5~10回程度)
<注意>
微量容器内の検体に気泡が入らないように注意して、ゆっくりと混和をしてください。
●Point●
毛細管内壁に塗布されている抗凝固剤と血液を出来るだけ多く触れさせるように混和をしてください。
気泡がある場合は、微量容器の蓋を閉じてゆっくりと微量容器を振る、指先で微量容器の気泡部をはじくなどして、気泡を取り除いてください。
<注意>
気泡が混入すると正しい測定値が得られない場合があります。必ず気泡を取り除いてください。
気泡がないことが確認できたら、微量容器の蓋を開け、検体の測定を行ってください。
●Point●
指頭血、耳たぶ採血の場合は、静脈血に比べると再現性が低下します。採血後は速やかに測定をしてください。