校正不能や測定不能などの場合、電極に起因していることが多く、電極のチェックが必要です。
最近のpH計では、校正時の不斉電位と感度を自動的に表示しますが、旧機種をご利用の場合は下記方法で、チェックを行なってください。
pH7標準液の起電力値(mV表示値)とpH4(またはpH9)標準液の起電力値(mV表示値)との差を求めることにより電極の感度チェックができます。下記にその方法を記述いたします。
手順1 不斉電位チェック(±30mV以内)
pH計本体をmV表示に切り換え、pH7標準液の測定値を読む。
例) -7mV(pH7のとき) ※JIS規格では±30mV以内が規定
手順2 応答性チェック(3分以内)
次にpH4の標準液の測定値を読む。
例) 157mV(pH4のとき)
またこのとき、値が安定するまでにどれくらい時間がかかるかチェックする(約3分)。
手順3 感度チェック(90%以上)
pH7・4での測定後、以下の計算をする。
理論的には1pHあたり、59.2mV(25℃)の起電力の差がある。
pH7(25℃でpH6.86)とpH4(25℃でpH4.01)では、2.85の差があるため
6. 86-4.01=2.85
2.85pH×59.2mV=169mV
の起電力差が発生しているため、実際の測定値と比較することにより感度チェックができる。
例)157-(-7)=164mV (pH7-4間で実測した起電力の差)
164/169×100=97% (電極感度)・・・・・・・90%以上かを確認。
以上の3つの項目について、管理すればOKです。
また、上記の例は液温25℃でのチェックです。他の温度のときは次の理論感度表および、標準液の温度特性表の値より計算してください。
各温度における理論感度表
温度(℃) | 起電力(mV) | 温度(℃) | 起電力(mV) |
---|---|---|---|
0 | 54.20 | 50 | 64.12 |
5 | 55.19 | 55 | 65.11 |
10 | 56.18 | 60 | 66.10 |
15 | 57.17 | 65 | 67.09 |
20 | 58.17 | 70 | 68.09 |
25 | 59.16 | 75 | 69.08 |
30 | 60.15 | 80 | 70.07 |
35 | 61.14 | 85 | 71.06 |
40 | 62.13 | 90 | 72.05 |
45 | 63.13 | 95 | 73.05 |
pH7・pH4標準液の各温度におけるpH値
温度 | pH7 | pH4 | 温度 | pH7 | pH4 |
---|---|---|---|---|---|
0 | 6.98 | 4.00 | 45 | 6.83 | 4.05 |
5 | 6.95 | 4.00 | 50 | 6.83 | 4.06 |
10 | 6.92 | 4.00 | 55 | 6.83 | 4.08 |
15 | 6.90 | 4.00 | 60 | 6.84 | 4.09 |
20 | 6.88 | 4.00 | 65 | 6.84 | 4.13 |
25 | 6.86 | 4.01 | 70 | 6.86 | 4.16 |
30 | 6.85 | 4.02 | 75 | 6.88 | 4.20 |
35 | 6.84 | 4.02 | 80 | 6.89 | 4.23 |
40 | 6.84 | 4.04 |
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