ラボ用pH計のデータインテグリティ対応方法のご紹介

日々の業務でこんなお悩みを感じていませんか?

・pH計等スタンドアロン計測器のDI対応をどのように進めていけばよいのか
・ 査察で指摘を受けないか心配

そのような場合に弊社では、pH計をデータインテグリティに対応させるため、以下3種類の対応方法を提案いたします。

  1. プリンタ印字ベースで対応する方法
  2. LIMSやMES等のデータ管理システムにpH計を接続する方法
  3. LAQUA専用Part11対応ソフトウェアを用いる方法

1. プリンタ印字ベースで対応する方法

運用イメージ図

運用イメージ図

課題

● データのいいとこ取りができる
 → 網羅性、原本性、正確性が不十分
● ロール紙が無くなり、途中で印字できなくなる
 → データの紛失
● 実験記録簿に貼付してデータを管理する際、測定者ではない誰かが署名可能
 → 帰属性、同時性、正確性、網羅性が不十分
● 監査証跡が無い
 → 網羅性、帰属性、判読性、正確性が不十分

 

今すぐできる対策

● 耐久性のあるプリンタを用いる(耐久感熱紙、インクリボン等)
 → 判読性を確保
● 運用記録簿 / SOPの作成と運用管理
 → 監査証跡を確保
● ID・パスワード設定を行い運用する
 → 帰属性を確保
● PDF化でバックアップをとる
 → 永続性・正確性を確保
● 測定・記録時のダブルチェック
 → 正確性・網羅性・原本性を確保
● 測定者・管理者の教育

 

※測定結果の手書きは以下の理由から推奨しておりません

● 監査証跡が無い
● データの記録方法が運用方法やSOP、教育訓練、各自の習熟度に依存する
● データのいいとこ取りができる
● 測定結果と異なる値を入力できてしまう

 → 転記ミス、入力ミス、思い込み、記録者による書き方の差(読み取りにくい文字等)、時刻の正確性等

2. LIMSやMES等のデータ管理システムにpH計を接続する方法

運用イメージ図

運用イメージ図

● プロトコルコンバータ(RS-232C→Ethernet変換、IPアドレス付与)を使用して接続
● ユーザー管理やデータ管理及び操作はLIMS・MES側から実施

過去実績のある接続方法

※RS-232C設定
ボーレート:2400 BPS
データビット:8 BITS
パリティビット:No PARITY
ストップビット:1 STOP
ハンドシェイク:なし
フロー制御:No FLOW

3. LAQUA専用Part11対応ソフトウェアを用いる方法

運用イメージ図

運用イメージ図

本ソフトウェアを用いることで、測定データはすべてPCに保存され、電子データとして管理することが可能です。測定者は主に水質計を操作することになるため測定に専念でき、管理者は主にPCを操作することになりデータの承認や管理に専念できます。

Part11対応ソフトウェアによるALCOA+への対応

FDAやMHRA、PIC/S等のDIガイダンスにはALCOA原則という考え方が掲載されています。
ALCOAには下表に掲載した意味があり、これらの原則を満たすことがデータインテグリティ対応において重視されています。以下の表では弊社Part11対応ソフトウェアの各機能がALCOAのそれぞれにどのように対応しているかを表しています。

ER/ES ALCOA+意味Part11対応ソフトの機能
ER Electronic Records電子記録電子記録が保存される
ES Electronic Signatures電子署名電子署名が可能
Accurate正確性電子記録が測定結果と一致する
Legible & permanent判読可能性、恒久性すべての記録を読み取れ、監査証跡が残る
Contemporaneous同時性測定結果は即記録される
記録日時を変更できない
Original record including meta data原本性PC内のデータベースがオリジナルデータ
改ざん不可
Attributable to the person generating帰属性測定結果に測定者のログが残る
電子署名可能
+ Complete, Consistent, Enduring, Available網羅性、一貫性、
永続性、利用可能性
バックアップ機能あり。検索機能あり
校正結果や温度条件等が付属する

水・液体計測 HORIBAグループ企業情報