三次元蛍光測定装置 Aqualog（アクアログ）

これらの多成分解析は、通常の蛍光分光装置に下記のような性能を追加することにより実現できました。

吸光度を補正した真の蛍光スペクトル測定
通常蛍光スペクトルは試料自体の光の吸収分の影響を受けています。その影響分を自動的に差し引き、真の蛍光スペクトルを得ることができます。
多くのデータを短時間で取得する高速蛍光スペクトル測定
成分分離には多変量解析を活用するため、多くのデータが必要となります。本装置はライン検出器を用いることにより、短時間で蛍光スペクトルを取得可能です。
多変量解析ソフト向けの自動データ変換
励起光波長と発光波長を変化させて得られる励起・蛍光マトリックス(Excitation-Emission Matrix：EEM)のデータを多変量解析ソフトで解析できるデータ型式に自動的に変換します。
長波長側からの励起波長掃引
有機物の場合、紫外光により分解されるものもあり、励起波長を長波長側から掃引することにより、試料のダメージを最低限に抑えます。
高次光補正
蛍光指紋データには励起光の波長の二次光などが現れ多変量解析に影響を及ぼす可能性があるので、この高次光を補正する機能を有しています。

水中に残留する油分の分析は水質管理や排水規制の観点から非常に重要ですが、溶媒抽出法やクロマトグラフ法では現場での迅速分析が困難です。Aqualogでは無試薬で簡便かつ迅速に油分濃度の測定が可能です。

装置構成

Aqualog本体	光源（キセノンアークランプ）サンプル室およびサンプルホルダー励起側分光器（ダブルグレーティング分光）蛍光側分光器蛍光スペクトル測定CCD検出器吸光度測定（透過光検出用）検出器
専用ソフトウェア	ライセンスキー　1本付属
多変量解析ソフトウェア	PARAFAC（Parallel Factor Analysis）専用ソフトウェア
電源	AC100V　　　50/60Hz
装置質量	約30㎏
外形寸法（本体）	620（W）×440（D）×330（H）㎜
オプション	水冷式温度調整セルホルダー、恒温チラー槽、ペルチェ式温度調整セルホルダー、波長校正用キット他

励起波長範囲	200-800nm
励起側分光器	ダブルグレーティング分光
励起側分光器　波長精度	±1nm
蛍光検出波長範囲	250-800nm
蛍光側分光器　波長精度	±0.5nm
測定用検出器	ペルチェ冷却式バックイルミネイトCCD検出器
測定積算時間	5m秒～65.5秒
感度	超純水ラマンスペクトルをもちいたスペクトルモード SN比≧20000:1　　(RMS法) 　測定条件・・・・励起波長（Ex）=350nm 　　　　　　　　　蛍光波長(Em）=397nm 　　　　　　　　　バンドパス=5nm 　　　　　　　　　積算時間=30秒