OBD試験効率化

開発・認証・抜き取りでのOBD試験において、難しい運転操作・OBD試験モジュール操作を自動化し、試験工数の削減・複雑な試験手順の簡略化を実現します。

目次

  1. OBD試験とは
  2. HORIBA OBD試験 効率化ソリューション

OBD試験とは

開発・認証・抜き取りにおけるOBD試験とは

OBD(車載式故障診断装置:On-board diagnostics)とは、車両に搭載されたECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)に搭載された故障診断機能です。通常、自動車は安全に・排出ガスレベルを低く維持するように制御されますが、断線や各種センサーの故障などにより、正常に動作しない場合があります。OBDは、これらの故障が発生した際に、自動車の安全と排出ガスレベルの上昇を抑制するため、警告灯(MIL:Malfunction Indication Lamp)を点灯させ、運転者に点検修理を警告する機能です。

開発段階では、診断状態への遷移、異常検知、MIL点灯および消灯、異常状態の記録・消去などの診断機能が意図通り正しく動作するよう調整すると共に、異常状態での排出ガスレベルを規制値以下にする適合・評価試験が必要です。また認証段階、生産段階においても故障診断装置の動作検証と故障状態での排出ガスレベルの検証が行われています。

OBD試験における課題

開発・認証・抜き取りにおけるOBD試験では、故障診断をするために複雑な車両操作・試験手順が要求されており、膨大な工数が必要となっています。
※OBD:車載式故障診断装置(On-board diagnostics)

故障診断を行うために、車両を故障診断状態に調整する必要がありますが、テストサイクルの車速に追従するだけでは故障診断が始まらない(もしくは終わらない)場合があります。特に、認証・抜き取り試験ではECU内部の情報を容易に見ることができず、故障診断状態にするために、複数回の走行が必要なことは少なくありません。

また、ドライバーが車両を走行させながらOBD試験モジュール※1の操作・状況確認を並行して行うという、複雑な試験手順が求められます。確認項目や動作が多いため、二人体制で試験を行う場合もあります。
※1:断線や各種センサー信号を模擬することで故障状態を作り出す装置

HORIBA OBD試験 効率化ソリューション(開発中)

長年、車両試験設備に携わってきたHORIBAならではの、OBD試験効率化ソリューションをご紹介します。

OBD試験用評価システム 概要

 

① 故障診断評価手順の自動化

テストオートメーションシステム STARSシリーズが、車両や計測機器の制御に加え、故障模擬用のスイッチ・信号を試験状況に応じて自動で制御します。これにより、従来は故障診断の状況に応じて手動で行っていた作業を自動化し、省人化・効率化をサポートします。
STARSシリーズの製品ページはこちら

② 開発ドライバーのアクセルワーク再現

開発段階においては、故障診断に関するECUパラメータを確認しながら走行しており、開発ドライバーはその運転方法を熟知しています。自動運転システム ADS EVOとHORIBA トルクマッチング法を組み合わせることで、決められた車速を追従しつつ、この特別な運転方法を自動で再現させることができます。これにより、走行試験回数を削減でき、効率化をサポートします。
自動運転システム ADS EVOの製品ページはこちら

本ソリューションは、下記資料からもご覧いただけます。

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