Euro 7計測ソリューション

HORIBAは、試験機関に認められた独自の計測技術で確実なEuro 7対応をサポートします。

次期排出ガス規制“Euro 7”概要はこちら

Euro 7は、RDEによる認証試験、NH3やSPN10をはじめとする規制成分の追加・強化、ブレーキエミッション・バッテリー耐久などの排出ガス以外の規制が盛り込まれた欧州の次期排出ガス規制です。Euro 7の概要をご紹介します。

 

目次

Euro 7対応に伴い想定される課題

2022年11月に欧州委員会より立案されたEuro 7案*では、排ガス認証試験法を、ラボからRDE(Real Driving Emission、実路試験)へ変更することが提案されています。実路での排ガス試験では、車載型計測装置が持つ「不確からしさ(計測精度)」や環境変化に対する「ロバスト性」が、試験結果に大きく影響を与えます。またRDEにおける走行条件を大幅に拡大することが提案されており、より複雑な条件を検討したうえで「適切な開発目標値」を設定する必要が出てきています。一方で、多岐にわたる自動車開発が進む中で業務の効率化も求められており、「手戻りの低減」も必要となってきます。

*Euro 7 standard proposal (europa.eu)

HORIBAのキーテクノロジー

HORIBAは長年の排ガス事業で培ったノウハウを活かし、お客様の課題を解決し支える幅広いソリューションを提供します。本項では、このソリューションを支えているキーテクノロジー“IRLAMTM”、“Intelligent Lab”についてご紹介します。

計測精度とロバスト性を両立しRDE認証試験に最適な新技術 “IRLAMTM ※1

IRLAM技術とは、HORIBAが独自に開発した次世代赤外分析技術です。従来の赤外ガス分析技術では感度不足や干渉影響などによって計測が難しかったガスについても、リアルタイムでの計測を実現しています。

また、温度や湿度、振動、圧力といった外部環境に対するロバスト性が向上し、実路での計測バラつきを抑えることが出来ています。さらにNH3(アンモニア)やHCHO(ホルムアルデヒド)といった計測が難しいとされる成分も高精度な計測を実現しています。

既にこの技術を使った車載型計測装置や定置型計測装置を販売しており、 現在 Euro 7で規制化が検討されているCO, CO2, NO, NO2, NH3, N2O, HCHO, CH4(THC)を計測する新たな車載型排ガス計測システム(PEMS)を開発しています。(計測原理はQCL-IR※2を採用)

実際に、欧州委員会の共同研究センター(JRC:Joint Research Centre)にて試作機を評価いただいた結果、PEMSであるにも関わらず、定置型の装置と同等の性能を示し、他の装置と比べてばらつきが小さく、場合によっては検出限界もさらに優れている、と高評価いただきました。

In general, the “alternative” techniques (i.e., IRLAM and FTIR) demonstrated equivalent performance with the standard techniques of the laboratory grade analyzers. In particular, the IRLAM, even though a portable system, had small differences from the means of the rest instrument and in some cases an even better limit of detection.
Measurement of Gaseous Exhaust Emissions of Light-Duty Vehicles in Preparation for Euro 7:
A Comparison of Portable and Laboratory Instrumentation
https://www.mdpi.com/1996-1073/16/6/2561

Victor Valverde 1 , Yosuke Kondo 2 , Yoshinori Otsuki 2 , Torsten Krenz 3, Anastasios Melas 1, Ricardo Suarez-Bertoa 1 and Barouch Giechaskiel 1,*
1 European Commission, Joint Research Centre (JRC), 21027 Ispra, Italy, 2 HORIBA Ltd., Shiga 520-0102, Japan, 3 HORIBA Europe GmbH, 42799, Leichlingen, Germany

ハードウェア・ソフトウェアとともに、長年の排出ガス計測で培ったノウハウを結集させたIRLAMは、Euro 7のエミッション計測においてキーテクノロジーとして機能します。

※1 IRLAMは、株式会社堀場製作所の日本およびその他の国における登録商標または商標です。
※2 Euro 7では、CO, CO2, NO, NO2, NH3, N2O, HCHO, CH4の計測原理としてQCL-IRが認められています。

 

HORIBAの次世代赤外分光技術 IRLAM 詳細はこちら

従来の赤外ガス分析技術では感度不足や干渉影響の大きさにより計測が難しかったガス種でも、リアルタイムに高精度な計測ができる計測技術です。IRLAMを実現したHORIBAの技術をご紹介します。

  

手戻り削減・開発工期短縮を支えるソリューション “Intelligent Lab”

Euro7では、RDEにおける走行条件を大幅に拡大することが検討されており、より複雑な条件を検討したうえで「適切な開発目標値」を設定することと、網羅的な検証が必要になります。これまで以上に厳しい開発目標値に対してスピーディーかつロバスト性のある開発を実現するためには、ラボ試験の段階からRDEで起こりうるホットスポット(急所)を見つけ出すことが重要になります。この抽出したワーストケースに対しての改善だけでなく、改善後に他のワーストケースが発生していないか網羅的な検証が必要となります。
Intelligent Labは、複雑化が進む車両開発においてシステム開発の課題を解決するMBDソリューションで、スピーディーかつ網羅的な検証を含めた開発に必須となるMBDを支援します。バーチャル走行環境の構築や、バーチャル環境と実機と連携した評価環境の構築だけでなく、長年培った計測技術を持つHORIBAだからこそモデルの作成・検証に関わる計測データを考慮した提案が可能です。

  • MBD/フロントローディングを推進したいが具体的な手法がわからない
  • 品質を保証できるだけの相関・信頼性が高いモデルを構築したい
  • 今ある試験設備を最小限の投資で永続的に稼働できる設備にしたい


といった声にお応えする、

  • 台上で実路試験の車両挙動を高精度に再現する独自の手法“HORIBA トルクマッチング法”
  • X-in-the-Loop-Simulationを用いたRDE検証のフロントローディング手法
  • 信頼性の高いモデル作成手法“Empirical Digital Twin”


などを提供します。

Intelligent Labの詳細についてはお問い合わせください。

HORIBAのEuro 7トータルソリューション

LDV向けラボ設備

HORIBAは、Euro 7の適合に向け、新たに規制追加が検討されている、NH3(アンモニア)、SPN10(粒子径10nm 以上の固体粒子数)を含む各種ガス・粒子を、高精度に測定するラボ向けの設備をトータルで提供します。NH3やPNは吸着性や流路上の損失が発生する特性を持ちます。HORIBAは、認証試験時に起こりうる排出量を、開発時に正しく計測することが重要だと考え、Direct測定が可能な設備をラインアップしています。RDEと同じ計測手法であるダイレクトモーダル法に対応した演算式を実装したテストオートメーションシステムも提供します。また、計測法や計測器の差をしっかりと把握いただける、従来の認証試験手法であるDilute測定に対応した計測システムも提供します。

LDV(乗用車)向けラボ設備

MEXA-ONE

エンジン排ガス測定装置    MEXA-ONEは、HORIBAのエンジン排ガス分析計のフラッグシップモデルです。Euro 7にも対応します。

MEXA-ONE IRLAM

エンジン排ガス測定装置
独自の計測技術“IRLAM”を採用し、N化合物4成分(NH3/NO/NO2/N2O)を高精度に測定する装置です。

SPCS-ONE

連続固体粒子数測定装置    SPCS-ONEは、SPN10 / SPN23をリアルタイムに計測する装置です。Euro 7の規制要求に適合した装置です。

EXFM-ONE

超音波式排ガス流量計      吸着性の高いNH3やRDEを想定したダイレクト測定に対応できる排ガス流量計です。

STARS シリーズ

テストオートメーションシステム    Euro 7に対応したエンジン・シャシ試験の各種制御・演算・帳票出力を自動化し、試験の効率化をサポートします。

HDV向けラボ設備

HDVのEuro 7の適合に向け、新たに規制追加が検討されている、NH3(アンモニア)、N2O(亜酸化窒素)、HCHO(ホルムアルデヒド)、SPN10(粒子径10nm 以上の固体粒子数)を含む各種ガス・粒子を、高精度に測定するラボ向けの設備をトータルで提案します。NH3やPNは吸着性や流路上の損失が発生する特性を持ちます。HORIBAは、認証試験で起こりうる排出量を、開発時に正しく計測することが重要だと考え、Direct測定が可能な設備をラインアップしています。RDEと同様な演算手法であるダイレクトモーダルにも対応したテストオートメーションシステムも提供します。また、計測法や計測器の差をしっかりと把握いただける、従来の認証試験手法であるDilute測定に対応した計測システムも提供します。

HDV(重量車)向けラボ設備

MEXA-ONE

エンジン排ガス測定装置    MEXA-ONEは、HORIBAのエンジン排ガス分析計のフラッグシップモデルです。Euro 7にも対応します。

MEXA-ONE IRLAM

エンジン排ガス測定装置
独自の計測技術“IRLAM”を採用し、N化合物4成分(NH3/NO/NO2/N2O)を高精度に測定する装置です。

SPCS-ONE

連続固体粒子数測定装置    SPCS-ONEは、SPN10 / SPN23をリアルタイムに計測する装置です。Euro 7の規制要求に適合した装置です。

EXFM-ONE

超音波式排ガス流量計      吸着性の高いNH3やRDEを想定したダイレクト測定に対応できる排ガス流量計です。

STARS シリーズ

テストオートメーションシステム    Euro 7に対応したエンジン・シャシ試験の各種制御・演算・帳票出力を自動化し、試験の効率化をサポートします。

RDE用 排出ガス計測システム

Euro 7では、実路走行時の排出ガス(RDE)にも焦点が当てられます。HORIBAは、従来規制に対応したPEMS(車載型排出ガス計測システム)であるOBS-ONE GS/PM/PNに加え、Euro 7の動向に応じて、2021年にはNH3/N2Oに対応したOBS-ONE IRLAMを、2022年にはSPN10に対応したOBS-ONE SPN10をリリースしました。
また、HORIBAが独自に開発したIRLAMTMを採用し、温度や湿度、振動、圧力といった外部環境に対するロバスト性が非常に高い新型PEMSを、来年新たにリリースします。新型PEMSは、CO、CO2、NO、NO2、NH3、N2O、HCHO、CH4計にIRLAMを採用、さらにTHC測定用のFID計も搭載しています。

→IRLAMの詳細はこちら:RDEに最適な非常に高いロバスト性を誇る 新技術 “IRLAM”

これからもRDE用の排出ガス計測システムはHORIBAにお任せください。

RDE用 排出ガス計測システム

New PEMS

車載型排ガス計測システム    HORIBAが独自に開発したIRLAMTMを採用しており、Euro 7で検討されるCO, CO2, NO, NO2, NH3, N2O, HCHO, CH4を計測できます。

OBS-ONE SPN10

車載型排ガス計測システム   実路走行時のSPN10を高い精度で測定します。ラボ用分析計との相関にも優れています。

OBS-ONE IRLAM

車載型排ガス計測システム    独自の計測技術“IRLAM”を採用し、実路走行時のNH3/N2Oを高い精度で測定します。ラボ用分析計との相関にも優れています。

OBS-ONE GS

車載型排ガス 計測システム   実路走行時のCO/CO2/THC/NOx/NO2、A/F、排ガス流量、位置情報、環境条件のデータ採取と質量計測ができます。

ブレーキエミッション(ブレーキダスト)計測ソリューション

Euro 7では、テールパイプ・燃料蒸発ガス以外の規制として、世界で初めて、ブレーキから排出される粒子やタイヤの摩耗率が規制対象に加わる見込みです。HORIBAは、Euro 7の排出基準を遵守するために必要な、ブレーキエミッション計測設備の提供から試験の自動化、受託試験サービスまで、お客様のお悩みに寄り添い、最適なソリューションを提供します。

ブレーキエミッション計測ソリューションの詳細はこちら

ブレーキエミッション計測設備の提供から試験の自動化、受託試験サービスまで、お悩みに寄り添う最適なソリューションを提供します。

  

試験の自動化 STARS Automation / ADS EVO

Euro 7では、低温での排ガス試験の対象を、ガソリン車だけでなく、ディーゼル車やHEV、PHEVにも拡張することが提案されています。また、低温でのBEV・PEVの全電気航続距離の試験も追加することが検討されています。また、RDEで計測できない成分がある場合は追加のラボ試験が要求される可能性があります。
STARS Automation は、車両、エンジン、パワートレイン、Eモーター、ブレーキ、コンポーネント試験など、幅広いタイプの試験に応じた各種試験の制御・演算・帳票出力を自動化し、試験の効率化・省人化をサポートします。
自動運転システム ADS EVOは、シャシダイナモメータ上の走行試験を自動化する装置で、ドライバーの負荷を減らし試験の再現性を担保することが出来ます。-40℃~80℃の環境試験に対応し※3、ペダルの操作だけではなく、エアコンやACC※4といった各種ボタンの操作も可能なため、従来のエミッション試験だけでなく、電動化や耐久期間の増加により長時間化した走行試験の自動化・省人化を実現します。

※3 環境仕様の場合
※4 ACC:Adaptive Cruise Control

電動車両評価ソリューションの詳細はこちら

HORIBAは、カーボンニュートラルの実現に向け加速する、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車等の電動車両開発を支える各種ソリューションを提供します。

  

STARS Automation

テストオートメーションシステム    各種試験の自動化やデータ活用で開発業務の効率化を実現する各種アプリケーションを提供します。

ADS EVO

自動運転システム    高い再現性でシャシダイナモメータ上の走行試験を自動化する装置です。次世代車両の運転や、プッシュボタン操作にも対応しました。

Euro 7対応をサポート エンジニアリング・試験サービス

HORIBAは、より効率的なラボ・実路でのEuro 7開発を支援するエンジニアリング・試験サービスを提供します。

  • RDE試験全体にわたるコンプライアンスを検証する、実路・ラボ・バーチャルでのRDE試験ソリューション
  • Euro 7に向けた開発に必要なほとんどの試験が可能
  • できる限り早く開発を開始するためのEuro 7対応計測設備を完備
  • 英国のHORIBA MIRAを中心に、グローバルのお客様の開発設備でソリューションを提供
  • 業界をリードするノウハウ、専門性、経験を活かしたサービスの提供

車両開発エンジニアリングの詳細はこちら

英国で70年以上の実績と経験を持つ、自動車のリサーチ・エンジニアリング・テスティングの先進的グローバルリーダーとして自動車会社、 部品サプライヤー等の自動車開発をサポートします。

  

HORIBAの排ガス事業は進化×深化を続けています

カーボンニュートラルな社会の実現に向けて、自動車業界を取り巻く環境とお客様のチャレンジは多様化しています。しかし、実際の現場はヒト・モノ・時間の配分が難しく、問題の事後対応や、増殖するチェックリスト、運用・管理の手間に対応する必要もあります。HORIBAは、お客様のチャレンジに寄り添うために、進化×深化を続けています。

  • 新技術で今後の計測をサポート
  • 既存設備の最適運用をサポート
  • 法規遵守のためのサポート
  • 既存ベンチの機能拡張をサポート

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