\はかせのひとこと/
エタノールなどの有機溶媒を測定する方に必見じゃ!
電気伝導率とは液体中での電気の流れやすさを示す指標であり、対となる極の間に電圧を印加し、抵抗を測定することにより算出されます。※1
HORIBAの電気伝導率セル 9371-10D は、ステンレスボディの採用により、割れない、乾燥保管できる、セル定数がずれないといった特長があります。さらに極表面も平らなステンレスであるため液置換が早く、純水だけでなく電気伝導率が低い有機溶媒の測定にも適しています。
今回は、白金黒めっき極を用いた 3551-10D とステンレス極を用いた 9371-10D により有機溶媒を測定しました。
※1: HORIBA LAQUA シリーズの測定方法
電気伝導率電極
84 μS/cm の塩化カリウム標準液※2 でセル定数の校正を行った後、25.0 ℃のエタノール 99.5 %+ を 5 分間測定しました。
※2: 形式 100-21 84 μS/cm(25℃)の塩化カリウム標準液を使用しました。
電極のエタノールへの浸漬時間と電気伝導率測定値の関係を図 1 に示しました。9371-10D の測定値を●で、3551-10D の測定値を◆で表しています。3551-10D は測定値が安定するまでに約5分を要していますが、9371-10D は浸漬後数十秒 で応答を完了していることが分かります。
3551-10D のような白金黒めっき極を用いた電気伝導率電極は、セル表面に 微小な凹凸を持ちます。白金黒めっきは広い測定レンジを得るための有用な手段であるが、有機溶媒のような低電気伝導率サンプルを測定する際は、直前に測定したサンプルや浸水保管中の水分が極表面へ残存することで影響を受けることがあります。
一方、ステンレス極を用いた 9371-10D は極表面が比較的平らであることから、極表面の残存物または汚染による影響が少ないです。
以上のことから、有機溶媒のような低電気伝導率測定においては 9371-10D を推奨します。
図1 エタノールの電気伝導率測定結果
\はかせの総括/
エタノール測定では、9371-10Dの方が安定性と応答性がよいことがわかるのぉ。有機溶媒の測定には、9371-10Dがおすすめじゃ!