手分析では測定前の準備、測定、測定後の後片付けまでをすべて人が行う必要がありますが、オートサンプラーでは「校正」「電極洗浄」「測定」をすべて自動化できるため、手作業による作業工数を大幅に削減します。
右の図は、水道水120検体測定を例に、手分析とオートサンプラーを使用した場合の手作業時間を比較したものです。オートサンプラーを導入することで校正・測定・測定毎の電極洗浄が自動化され、測定作業者の工数を1/4に削減することができました。
pH・導電率の測定フロー図(黄色枠内のフローを自動化)
校正開始ボタン押すと、自動で標準液校正を開始。測定前の校正作業にかかる時間を削減します。
※自動校正はpHのみです。
自動校正の様子(校正と洗浄を自動で繰り返します)
オーバーフロー洗浄またはシャワー洗浄(オプション)・薬液洗浄・拭き取りを組み合わせ、電極の洗浄シーケンスを設定します。お客様のサンプルの種類に合わせて、細かい洗浄条件の設定が可能です。
洗浄の設定例
同一サンプルの測定回数やオートホールド設定(測定値の安定判断基準)などの測定条件を設定することができ、お客様のSOP(標準作業手順書)に沿った運用を実現します。
測定の設定例
HORIBAのオートサンプラーは電極が上下に動いてサンプルを撹拌するので、校正・測定で撹拌子(スターラーチップ)を使う必要がなくて便利!
撹拌子をビーカーや試験管に入れて、測定後に回収し、洗って乾かすまでの一連の手間を省くことができます。
先端が細いスピッツ管を使用すると微量測定(3mL~)が可能となり、希少なサンプルの損失を最小限にできます。ほかにも使い捨てができる樹脂製チューブなど、容器はお客様のサンプルや用途に合わせて柔軟に選定可能です。
※条件により使用できない容器もありますので、詳細はご相談ください。
容器の例
粘性の高いサンプルには、シャワー洗浄がおすすめです。オートサンプラーのシャワー洗浄では、洗浄槽内のスポンジで電極に付着した落ちにくいサンプルをこすり洗いし、さらに電極に空気を吹きかけて水滴を飛ばします。このシャワー洗浄機能により、多検体測定時のコンタミネーションを低減することができます。
シャワー洗浄の様子
外付けの温調ユニットを接続すると、サンプル温度を一定に保ちながら自動測定ができます。
ラック・温調ユニット間で恒温水を循環させて温調し、温度を一定に保ったままサンプルを測定することができます。製薬用水の品質管理や、受託分析において特にご活用いただいています。
➡ 温調ユニット CTP-1000の仕様はこちら(東京理化器械様 ウェブサイト)
オートサンプラーには薬局方モード(※)を搭載しており、日本薬局方(JP)、欧州薬局方(EP)、米国薬局方(USP)に準拠した製薬用水(精製水、注射用水等)の評価を実施することができます。
※1分ごとに導電率を測定し、5分あたりの変化が0.1μS/cm未満になった時点での値を最終値とする。
オートサンプラーのタッチパネルは日本語とアイコンで表示され、直感的に操作できる仕様となっています。校正や測定、洗浄フローは一度設定すれば保存されるため、複数の作業者が使用する場合でも作業手順の共有が容易に行えます。
さらに卓上型pH・水質分析計 LAQUAと同様のカラースクリーンになっており、これまでにLAQUAをお使いのお客様にとって、なじみのある操作感覚で測定していただけます。
*詳しい操作方法はこちら⇒ オートサンプラーの使用方法
タッチパネル画面
電極を装着したアームが前後左右・上下に動く移動方式を採用することで、コンパクトな設置面積を実現しました。サンプルではなくアームが動くので、サンプルがこぼれるリスクが低減され、安全に測定できます。
測定データは、トップメニュー画面から3回のタッチ操作で簡単に出力できます。測定データはUSBメモリにCSV形式で保存できるほか、プリンタ出力やターミナルソフトウェアを使用してPCへのデータ取り込みも可能です。プリンタやPCへの出力方法の詳細については、お気軽にお問い合わせください。
コネクター部(オートサンプラー背面)